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116: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:48:07.92 ID:bUTy/0tsR
朝8時前
見滝原中学校に向かう通学路をまどかとさやかがともに歩いている。
さやかは腕をぶんぶん振り回しながら
さやか「昨日のあたしどうだった?だいぶ慣れてきた感じっしょ」
まどか「うん、かっこよかったよ。だんだん上手くなってきているみたい」
二人は昨夜、マミと東郷に加わって行った魔女退治についての話をしている。

さやか「でもさ、やっぱり二人には全然かなわない感じ。まあマミさんはわかるけどさ、あの東郷さん。あの動き何なの?ありえないっしょ」
さやかが肩を落としてふうと溜め息をつく
まどか「あはは・・・なんかあの人は特別な感じだもん。仕方ないよ」
00: オレ的VIPPER速報てきなやつ 2014年 RSS記事一覧 :ID/dkajdiojf
117: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:48:44.06 ID:bUTy/0tsR
二人は黙って歩いていたが、やがてまどかが気づかわしげに
まどか 「ねえさやかちゃん・・・、上条君のことはほんとによかったの?」
まどかは、さやかが幼馴染のヴァイオリニストを目指している上条恭介の手の傷を治すことと引き換えに魔法少女になる契約をしたことについて問うているのだ。
さやか「あ~、-うん」
さやかは鞄を持った右腕の肩を上げて肘を曲げて頭の後ろに回し、もう片方の手で腕を頭の上に回しながら右腕の肘をつかみ、軽く伸びをするような姿勢で天を仰いだ。
さやか「あの願い事が一番よかったかなんてあたしもわからないけどさ、恭介とは腐れ縁だし幼馴染だし、あいつにはヴァイオリンを続けていってほしいからね-。
 -それに、マミさんみたいにみんなのために戦う魔法少女にあこがれてたのも事実だし」
まどか「それならいいけど・・・」

118: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:49:28.21 ID:bUTy/0tsR
気がかわしげに歩くまどかの背中をバンと叩いて
さやか「もうなっちゃったんだから仕方ないって!マミさんにも色々言われたけど最後は納得してくれたし。
 それにあたしが魔法少女になればまどかが戦わなくていいんだよ?臆病なまどかに戦うなんて無理っしょ」
まどか「むー、そんなことないもん」
アハハという声を上げて逃げ出すように軽く駆け出すさやかを、まどかが片拳を上げ、拗ねたような顔つきで追いかける。

さやか「-あ」
前方に人影を認めたさやかが声を上げる
さやか「-仁美、おはよう」

119: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:50:21.00 ID:bUTy/0tsR
仁美「美樹さん、鹿目さん、おはようございます」
朝の通学時のいつもの待ち合わせ場所で、鞄を持った両手を行儀よくちょこんと体の前に置いた仁美が二人に挨拶する。

まどか「-仁美ちゃんおはよう。具合はどう?」
仁美「ええ、もう三日目ですもの。大丈夫ですわ」
工場で倒れて以来、仁美は精密検査のために数日入院しており、また登校を再開し始めていた。

並んで歩き始めた三人だが、やがて、はあという溜め息を仁美がついた。目を閉じ、軽く顔をうつむけ、憂いありげだ。
まどか「-どうしたの?やっぱり具合悪いの?」
心配そうに仁美の顔を覗き込むまどか
仁美「いえ、そういうことではありませんの。ただ-」
再びはあという溜め息をついた。
その様子をだまって見ていたさやかだが、やがて何かに気づいたように眉がピクリと動き、まなじりと口角をニヒリと吊り上げて笑い、
さやか「はっは~ん。仁美は恋をしているな?」
まどか「え~!?仁美ちゃん!?」
仁美「えっ・・・いや、そ、その・・・」
片手を肘を支点に軽く持ち上げ、胸の高さで左右に小刻みに可愛らしく振る仁美。

120: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:51:04.79 ID:bUTy/0tsR
まどか「あ~、顔が真っ赤だよ~!」
さやか「これは決まりですな」
さやかが両手を胸の高さにもたげ、わきわきと握り閉じを繰り返す
さやか「許しませんぞ~、仁美とまどかは私のものなのだから~」
仁美「きゃっ、ちょっと美樹さん!?」
半ば目を閉じ、慌てたように、迫るさやかを避ける仁美
さやか「あっはっは~。待て~」
わきわき と握る手の動作を繰り返しながら追いかけるさやか

と、不意に周囲の通学中の生徒たちの奇異の視線を浴びていることに気づいてしゅんとする三人
三人は再びおとなしくなって歩き始めたが、仁美はぷんと怒ったような様子で二人の前を歩いている。

121: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:52:14.64 ID:bUTy/0tsR
さやか「-ね、恋といえばさ」
さやかが軽く耳打ちするようにこそっとまどかに話しかける
さやか「マミさんと東郷さん、最近ますますベッタリだね」
まどか「うん、そうだね。いつも一緒にくっついている感じ。やっぱりなのかな」
まどかがウェヒヒと答えて笑う

二人の声を聞きつけた仁美がピタリと立ち止る。
向き直って、
仁美「-マミさん?マミさんとは-お二人がよく学校で挨拶するあの三年生の巴マミ先輩のこと?」
目が真剣な表情を帯びている

122: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:53:00.31 ID:bUTy/0tsR
さやか「あー、うん。東郷さんってのはね、ほら前工場で仁美を助けてくれたでしょ。あの人。
 あの二人がね、すごく仲良くって、ひょっとしてマミさんが東郷さんのこと好きなんじゃないかって話」
仁美「お二人はどういう関係なのですの?」
仁美の目がますます真剣味を増している

ずいと迫る仁美の表情にたじろぎながら
さやか「-えーと、二人はね、-趣味というか、-仕事というか、-アルバイトというか-」
まどか(「中学生はアルバイトできないよ、さやかちゃん!」)
まどかが肘で軽く小突きながらささやきかける。

さやか「-あ~。-あ、そう。-ボランティア!ボランティアの仲間なんだよ!
 この前東郷さんが仁美を助けてくれた時、マミさんも遅れてきたでしょ?あんな風に困ってる人達を助ける仕事なんだ」
上手く説明できる言葉を見つけ出し、安堵の色を見せながらさやかが言い放つ。

123: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:53:36.90 ID:bUTy/0tsR
仁美「-そう」
仁美は軽くうつむいて
仁美「さっきお二人はいつも一緒にいるとおっ しゃいましたけど-」
さやか「えー?まあいつも一緒だよね。と、いってもボランティアのとき見ただけどさ。どっちかというとマミさんの方から近づいていってる感じ?」
まどか「そんな感じだね…ひょっとしたらあたしたちの知らないところでも会ってるのかも・・・ウェヒヒ」
さやか「あ~、それありそう。いけませんな~、大人と女子中学生の乱れた関係!」

顔を俯けて黙って二人のやり取りを聞いていた仁美だが、やがてくるりと元の方向に向き直ると、一人ですたすたと歩き始めた。目は真っ直ぐ正面を向いている
まどか「あっ、仁美ちゃん!?」
さやか「あれ、仁美。お~い、私たちを置いていかないでよ~」

慌てて追いつこうとする二人を意に介さず、首を持ち上げて正面を真っ 直ぐに見据えながら歩き続ける仁美
その眼には決意の光が宿っていた。

124: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:55:13.10 ID:bUTy/0tsR
夜10時
見滝原のマンションの高層階の一室。そこは巴家のものだが、数年前の交通事故で両親を失くし、
今はマミ一人で住んでおり、ドアにつけられた表札にも「巴 マミ」とだけ書かれている。

一面を床から天井部まで張り渡された大ガラス窓が占め、見滝原の眺望を見晴らすことができるリビングには家具があちこちに置かれ、生活感を醸し出している。
中央には絨毯が敷かれ、その上に位置された三角形の座卓の一つの辺前に、寝間着姿のマミがクッションに腰を下ろした状態で座っており、テーブルの上には飲みかけの紅茶が置かれている。

マミは体を半ばねじり、熱心に横に座ったキュウべえに話しかけている。

125: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:56:42.10 ID:bUTy/0tsR
マミ「-それでね、あの時横から使い魔が飛び出て きて、『あっ、危ない』って私思ったのよ。私は魔女に完全に気を取られていて脇腹のほうががら空きだったからね。
 でも、その途端東郷さんが飛び込んできて、ガウーン-マミは拳銃を撃つ仕草をまねてみせた-ってその使い魔を倒してくれたの。
 ほんと、すごい速さだったわ。飛び込んでくるのも銃を撃つのも見えないくらい。あれがなければ私はやられていたかも、東郷さんが救ってくれたんだわ。-」
マミ「-でね、魔女を倒した後、魔法で出す紅茶を東郷さんにも飲んでもらったら、東郷さんそれを一口飲んでセイロンティーだって当てて、
 もう少し抽出する温度を下げて苦みを減らした方がいいとか、セイロン茶葉のいい産地と銘柄はこれだっていう風に教えてくれてね、もう私すごく嬉しかった。
 だって紅茶のことのお話しできる人初めてだもん。それに紅茶のこと色々訊いても何でも知ってて全部答えてくれるの。驚いたわ。あたし-」

126: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:57:26.89 ID:bUTy/0tsR
しゃべり続けるマミの話をじっと聞いていたキュウべえだが、口を開けて一言、
キュウべえ「君はずいぶん東郷にご執心のようだね、マミ」

マミ「-な・・・」
唖然と口をつぐむマミ。
キュウべえ「僕には人間の感情のことはよくわからないけど、それは恋というものじゃないのかい?」

127: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:59:22.46 ID:bUTy/0tsR
マミはさっと体を戻し、顔をテーブルの正面に向けて俯いた。
テーブルの縁に手首をかけて、まさぐるように飲みかけの紅茶のカップをつかむと、
軽く宙に持ち上げた状態でもてあそぶように、取っ手に指を通していない中指をカップに沿った形で軽い曲げ伸ばしを繰り返した。
マミ「-恋だなんてそんな・・・。-ただ、私は今までずっと一人で戦ってきたでしょ?初めて支えてくれる人が出来たというか-、
 そりゃ今は美樹さんも一緒に戦ってくれるけど、やはりそういうのは頼りにできる大人の男性がいいというか-」
言葉が途切れる。

128: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:00:25.31 ID:bUTy/0tsR
キュウべえ「-僕の見たところ、君は十分脈ありだと思うねマミ」
マミ「-えっ・・・」
ぽかんとした表情でキュウべえを眺める

キュウべえ「僕は人間の、特に恋といった感情はわからないけど、それでも今まで観察してきた経験から、君は十分東郷に好かれる要素を持っていると思うね」
マミ「・・・」
キュウべえ「まず君は同年代の少女に比べて成熟して-肉体的にも精神的にもね-大人に近く、落ち着いている。
 そして第二に君は生活面でも魔法少女との戦いにおいても一人で自立してきた強い女性だ。ああいう男性は自立した女性を好むものなのじゃないかい?」

129: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:00:52.41 ID:bUTy/0tsR
マミは再びさっと顔をテーブルの方に向けた
マミ「-そう、そうね。それならいいのだけれど-」
眼は紅茶の水面に映った自らの顔をぼんやりと眺めている
マミ「(たしかに東郷さんは一緒に戦ってくれるだけじゃなく、私の話も今まで一度も嫌がらずに丁寧に聞いてくれ、ちゃんと答えてきてくれた。
 あの人が私のことを好きでなくても、これからも一緒に支えて戦ってくれるかもしれない。そうしたら-)」
マミは軽く頭をもたげ、見るともなしに宙に目を沿わせて軽くひとりごちた
マミ「(もう何も怖くない)」

キュウべえはそんなマミの 様子を愛らしくクリクリとした目ながらも、表情の変化を見せない顔で見つめていた
キュウべえ「・・・」

130: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:01:39.49 ID:bUTy/0tsR
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大屋敷の広い浴場
体全体を思い切り伸ばしても突っかえることのない広々としたバスタブにその白い肌の胸の上部から上だけを水面から出した状態でつかった仁美は、
頭上に開け放された小窓の木立の間に覗き見る月を見上げながら呟いた。
仁美「東郷さま…そして、巴マミ先輩・・・」

131: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:02:36.74 ID:bUTy/0tsR
夕方の生徒たちの下校時。
マミが学校を出ようと校門を通りかかると、そこにどこかで見かけた灰緑色の髪の少女が体の前に両手で鞄を提げ持って立っていた。少女はマミの姿を認めると
仁美「巴マミ先輩ですね?」
マミ「あら、あなたは-」
仁美「志筑仁美です。何度か廊下でお会いしました」
マミ「そうそう、そうだったわね。いつも鹿目さんと美樹さんと一緒よね。こんなところでどうしたの?」
仁美「巴先輩に話があって-」
マミ「私に?」
ぱちくりとするマミ。不思議がりながらも、少し上背のあるマミをきっと見上げている仁美の様子に戸惑ってもいるようだ。

仁美「ええ、ここでするようなお話ではないのでできればご一緒していただけませんか?」
うながすように体の向きを変える。マミは少し躊躇った後、仁美の後について歩き始めた。

132: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:03:36.19 ID:bUTy/0tsR
二人は途中で飲食や喫茶店が多く立ち並ぶ繁華街の方に道をそれた。
間を持たせようと、マミが先導するように歩く仁美に明るい調子で話しかける。
マミ「志筑さんは二人と仲がいいのよね?羨ましいわ。私も時々助けてもらってるのよ。鹿目さんは優しいし、美樹さんはいつも元気だし。ほんとにいい子たち-」
話しかけるマミを無視して仁美は前を向いて黙々と歩き続ける。その様子を見てマミは口をつぐんだ。

仁美「ここなどどうでしょう」
二人は仁美が選んだファーストフード店に入った。

133: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:04:14.56 ID:bUTy/0tsR
注文と商品の受け取りを終え、テーブルを挟んだソファ席に向かい合って座る二人。マミはホットドッグとドリンクのセットで、仁美はMサイズのドリンク一つだ。

マミ「で?話って何かしら?」
仁美「わたくし、東郷さまをお慕い申しておりますの」
マミ「-!」
きっと見据えて発せられた言葉に、ドリンクを持ち上げ、そこに突き刺したストローを口に運ぼうとしていたマミの手が空中で止まる。

134: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:06:12.30 ID:bUTy/0tsR
仁美「私は今まで二度東郷さまに危ないところを助けられました。その御縁でお慕いするに至りましたが-巴先輩は私より東郷さまと深いお付き合いのようですのね?それがどのような関係かは知りませんが」
穏やかながらも強い意志を秘めた瞳で呆然としたマミの眼を見つめる
すうと一息大きく息を吸うと、はっきりとした意志を感じさせる声で言葉を発した。
仁美「巴先輩、あなた自身の本当の気持ちと向き合えますか?」

135: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:06:57.53 ID:bUTy/0tsR
仁美は続けて言う
仁美「私が二度救われたことは父にも話して知っていただいて、年が離れているながらも一度父にお引き合わせしての交際も了承していただいておりますのよ」

マミが空中に持ったドリンクに口を付けずにトレイに戻す。
手がふるふると震えている。
マミ「-そう」
ようやく意志の力で絞り出したような声だった。体全体がわなわなと震えており、正面から見るうつむいた顔には前にかかった髪の陰の部分が多く占めるように見える。
仁美「・・・」

136: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:07:57.01 ID:bUTy/0tsR
ぎゅっと腿の上で拳を強く握り、体の震えを止めると、マミも仁美の顔を強く見つめた。
マミ「-そう、二人が話したのか知らないけど、私が東郷さんのこと好きだっていうことがわかってしまったわけね。
 -ええそうよ、私も東郷さんのことが好き。あの人は私を助けてくれるし、いつも支えてくれるわ。私にとってあのような人は初めて」
仁美「・・・」
マミ「東郷さんに告白する前に先に私に伝えてくれたってわけね。フェアだわ。
 いいでしょう、私も今度会った時自分の気持ちを伝えるわ。それで駄目ならあなたも告白なさい」
仁美「-」
仁美はこくりとうなずいて、立ち上がった。
マミ「到底お食事する気分じゃないわね-。 私も-」
続いて立ち上がるマミ。

仁美はその場に飲みかけのドリンクを放置し、マミはトレイごと持って店員にテイクアウトの手続きをした。
先に出る仁美
仁美「-!」

137: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:09:31.08 ID:bUTy/0tsR
固まって店の入り口前に立ち尽くす仁美を訝しげに眺めたマミだったが、
その視線を追ってみると、今しがたマミと仁美が話題にしていた東郷と、その広い肩幅から出る太い腕にすがり付く眼鏡の女性がいた。

和子「あら?志筑さんに-、三年生の巴さんだったかしら?」
眼鏡の女性は見滝原中学校の二年生の担任教師、早乙女和子だった。

仁美「-・・・」
マミ「・・・」

138: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:10:44.71 ID:bUTy/0tsR
二人の視線が和子とゴルゴの間に向いているのに気付くと和子は、
和子「ああ、こちらはね、この街に今セールスの仕事でいらしてるデューク・東郷さん。私たちね、今付き合ってるの」
満面に笑みを湛えながら、すがり付いたゴルゴの腕を両腕でぎゅっと締め付け、頭を上背のあるゴルゴの方と胸のあたりに預けて寄り添う和子。
仁美、マミ「・・・」

和子「デューク、この子が私が受け持っている生徒の子で-和子は仁美の方をひらひらとした手で示した-、
 こっちが一個上の三年生の生徒。どっちも頭が良くて優等生だって学校でも話題なのよ」
ゴルゴ「・・・」

139: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:11:55.68 ID:bUTy/0tsR
和子「二人でお食事?学年が違うのに仲がいいのね。やっぱり優等生同士気が合うのかしら。でも学校帰りの寄り道はほどほどにね。
 -じゃ、私たち行くわね。志筑さん、巴さん、また学校で会いましょう。じゃあね」
明るい顔でひらひらと手を振る和子と、ゆっくりと体の向きを変え、再び歩き出すゴルゴ。彼の顔は終始表情が変わらず、無言だった。

立ち去ってゆく中で、腕にすがり付いたまま顔を見上げてはしゃいだ声を上げる和子の声が二人の耳に届く。
和子「-ね、デューク。私実は肉じゃがが得意なのよ。-じっくりことこと煮込んでお肉をトロトロにするの。ちょっと時間はかかるけどいいわよね?
 今夜も泊まっていけるんでしょ?-一緒にスーパーに寄りましょうよ-」

141: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:12:31.95 ID:bUTy/0tsR
立ち尽くす二人だったが、やがてマミがくるりと身を振り向け、ダッと走りだした。首を曲げ、頭が前かがみになっており、その顔を腕でぬぐう動作が見えた。
仁美は二人を見送った後、呆然と立ちくしたまま力ない動きで、走り去るマミの方に首を振り向けるだけだった。

142: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:13:43.70 ID:bUTy/0tsR
大通りをまどかとさやかが楽しげにはしゃぎながら歩いている。
と、さやかがいきなり声の調子を変え
さやか「-あのさ・・・、まどか。ちょっと大事な話があるんだ…」
まどか「・・・えっ・・・何・・・?」
さやかが普段らしからぬ急に声のトーンを落とした感じで話し出したので、まどかは思わず心配そうな顔になって答える。

さやか「-あのさ、仁美にも言おうと思ったけど、帰りのとき見つからなかったからまずまどかに言っちゃうけどさ-」
じっと顔を見つめるまどかから目をそらし、ぽりぽりと頭を掻きながらはにかんで胸が詰まったように言う。
さやか「-私さ、恭介と付き合うことになったんだ-」
まどか「えー!?ほんとー!?」
大声を張り上げたまどかに、さやかがきょろきょろと周囲の様子を気にしながら両手の手のひらで口をつぐむようにというジェスチャーをする。

143: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:14:37.82 ID:bUTy/0tsR
さやか「-ほ、ほんとだよ」
まどかをおとなしくさせて、一安心という風に身を伸ばして、鼻からスンと息を吐き、半ば得意そうに、半ば恥ずかしそうに肯定するさやか。
まどか「それってどんな風になったの!?どっちから告白したの!?」
普段おとなしいまどかがはしゃいでさやかに迫り、目はキラキラ輝いている。
さやかはそんなまどかから恥ずかしがって困ったように身をのけぞらせて避けて、
さやか「いや-、あいつの退院祝いに花とCD持って家に行ったんだよ。-おじさんもおばさんもいたんだけどさ-。
 リビングで話してて、おじさんおばさんがちょっと用事があって席を外したのね。そしたら恭介ったら急にあたしの方に顔を近づけて好きだって-」
思い出してドキドキしたかのように胸に手をやるさやか。続けて出る声は胸からつかえていた。
さやか「-で、-そうしたら-あたしも-その、好きだって言ったら-二人で付き合おうってことになって-その-」
言葉がつっかえた。顔は恥ずかしさからなのか喜びからなのか、真っ赤に紅潮している。

144: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:15:27.26 ID:bUTy/0tsR
まどか「すごいよすごいよさやかちゃん!やったね!魔法少女になった甲斐もあったじゃん!」
ずいと迫るまどかからさらに身をそらし、距離を取って深呼吸するさやか。落ち着きを取り戻したようだ。
さやか「-うん、まあ、よかったよ。結局、あいつのためといってもあたしが恭介のこと好きだったのも確かだったんだからね」
さやかは魔法少女の契約をした際の願い事のことを言っている。
さやか「-まさか-、あいつも-その-私のこと好きだなんて思ってなかったけどさ-。嬉しいというかその-」
まどか「すごいすごい!仁美ちゃんにも早く教えてあげなくちゃ!」
さやか「-あー、仁美は帰るとき探したんだけどなー。何かHR終ると速攻でどっか消えちゃったしさ。-明日になるかな」

145: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:16:09.76 ID:bUTy/0tsR
二人が話していると、突然ダッと目の前から真っ直ぐに少女が走ってきた
さやか「あれ?マミさん?」

マミは二人に気づかないかのように、二人の横を駆け抜けてゆく。顔を俯け、眼のあたりを腕でぬぐっている。

ものすごい勢いで駆け抜けていったマミに茫然としたかのように立ち尽くす二人。
それを見送って二人は不安そうに言葉を交わす。
さやか「マミさん・・・どうしたんだろ・・・」
まどか「うん・・・」

二人は黙りこくって再び歩き始めると、まどかが前方に見知った顔を見かけて声を上げた。
まどか「あっ、あれ仁美ちゃんじゃない?」
さやか「あっ、ほんとだ。おーい、仁美ー」
ぶんぶん手を振るさやか。

146: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:16:46.47 ID:bUTy/0tsR
大通りに面するファーストフード店の前で呆然と立ち尽くしていた仁美だが、二人を見つけた数瞬後に、急に顔が崩れ始めた。
色白で端正な顔立ちはくしゃくしゃになり、涙と鼻水を垂れ流し、
仁美「み・・・美樹さん・・・鹿目さん・・・」
脚はガクガクと震え、内股の膝が今にも体を支える力を失って倒れてしまいそうだ。
さやか「-ちょ、ちょっと、どうしたの仁美!?」
まどか「仁美ちゃん!?」
仁美は身をかがめて二人に取りすがり、涙と鼻水でぐちゃぐちゃに歪めた顔で見上げると、
仁美「せ・・・生徒と・・・教師の恋人の間は・・・決して結ばれてはいけない・・・禁断の-」
ずーっと鼻水を吸い上げた。
仁美「-恋の形ですのよ~!」
わっと大声で泣き始めた

147: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:17:35.78 ID:bUTy/0tsR
見滝原中学校の昼休み時。
生徒達は友人と遊び、語らうためにそれぞれ思い思いの場所におり、廊下や教室内に固まった生徒達のがやがやという声が騒がしく学校内の空気を圧している。

まどかががらがらと教室の扉を開け、浮かなげに入ってくる。
まどか「マミさん今日も学校来てないみたい…」
さやか「そう・・・」

148: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:18:11.48 ID:bUTy/0tsR
二人は話し始めるが、あちこちで楽しげに大声で、時に嬌声も交えてしゃべる生徒達とは別に、教室の隅でこそこそと、声を潜めて浮かない調子だ。
まどか「大丈夫かな・・・」
さやか「まあメール送ったらたまに返事帰ってくるから魔女にやられたんじゃないと思うけど…」
まどか「やっぱりあれかな、東郷さんのこと-」
まどかが顔を暗くし、少し下に傾けた顔の口に軽く手を近づけ、ますますこっそり声を抑えた調子でしゃべる。
さやか「-まあ、そうだろうね。仁美もあれから学校休みがちだし」
ちらりと主のない机を見やる。

さやかが手を頭の後ろに組み、天井を振り仰いで息を吐き
さやか「まさか東郷さんの相手がよりによって和子先生だとはねー」
まどか「うん・・・」
浮かなく返事をするまどか

二人の会話を少し離れた自席に黙って一人で座りながら聞くほむら。
ほむら「・・・」

149: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:19:17.47 ID:bUTy/0tsR
ブワッ
一瞬宙空に黒い空間が開き、一人の人影を吐き出すと、空間はみるみる閉じ、マミは元いたオフィスビルの曲がった廊下に立っていた。
夜中のビルには人気がなく、あちこちに設置された非常灯だけが淡い光で廊下を照らしている。

ハァッハァッ
マミは前かがみになり、軽く曲げた膝頭に両手をついて上体を支えながら、荒い息をついている。
顔に前髪が多くかかった表情には暗鬱の気が漂い、髪飾りに装飾を施して付いたソウルジェムが薄黒く濁っている。

ハァッ
しばらく荒い息をついていたマミだが
マミ「!」
気配を感じて顔を振り仰ぐと少し離れた場所でほむらがじっとこちらを見つめていた。

150: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 02:19:59.12 ID:bUTy/0tsR
ほむらは無表情な目でマミを見つめていたが、
ほむら「ソウルジェムがだいぶ濁っているようね、これを使いなさい」
すっと手に持った小さな魔女の卵、グリーフシードを差し出した。

顔に汗を湛え、厳しい眼で見つめるマミ。その眼には薄い隈ができ、深い疲労を感じさせる。

マミ「-りがとう。いらないわ-」
かすれた声で返事すると、身を屈め、廊下の地面に落ちた、今しがた倒したばかりの魔女のグリーフシードを拾い、すぐに身を翻すマミ。

黙って見ていたほむらだが、
ほむら「それだけでは-」
マミ「うるさいわね」
似つかわしくない言葉を言い置いてくるりと完全にほむらに背を向けると、一散に走り出した。

ほむら「・・・」

153: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:23:44.93 ID:bUTy/0tsR
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ダッと廊下から階段を駆け下り、警備詰所のあるビル正面を避けて横壁から、魔力を使って脱出するマミ。
ハァハァと息をついて、髪留めに付けたソウルジェムを外すと、それに今しがた拾ったグリーフシードをあてがう。
フシュゥゥゥゥ
ソウルジェムの黒い濁りが徐々にグリーフシードに吸い取られてゆき、原色の黄色を取り戻してゆく

シュッ
グリーフシードが吸い取った魔力で逆に漆黒に染まった。
吸収能力を無くしたグリーフシードをもう一方の手につまんだソウルジェムから放し、ポケットに入れる。
マミ「・・・」
しばらく黙ってソウルジェムを見つめるマミ
するとソウルジェムの表面下に大気が動くかのようにまたすぐに灰色の渦が出始めた

マミ「-・・・ッ!」
握りしめたソウルジェムを胸に押し付け、顎を引いて歯を食いしばるマミ。その目からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。

154: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:24:09.68 ID:bUTy/0tsR
--------------------------------------------------------------
キュウべえ「マミのソウルジェムははだいぶ消耗しているようだね?」
じっと見送ったほむらの横にどこからともなくぴょこんとキュウべえが現れた

キュウべえ「-無理もない。あんなことになってはね-」
冷たい眼で見据えるほむら
ほむら「-
 そうなるように仕向けたのはあなたじゃないの?」

キュウべえ「仕向けるだなんてとんでもない!」
愛らしい声を甲高く上げ、クリクリとした瞳で見つめながら、可愛らしく首をかしげる。

キュウべえ「-僕はただ、マミにあの東郷という男を手に入れるチャンスがあるかもしれないと示唆しただけさ。
 -もっとも、あの男は僕の想像以上にドライだったようだがね」

冷えた眼でキュウべえを斜めに見下ろしながらほむらはぽつりと呟いた。
ほむら「あなたの思い通りにはさせないわ。-インキュベーター」
クリクリとほむらを見つめるキュウべえの目の周りに一瞬黒い影が浮かび上がったように見えた。

155: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:26:11.44 ID:bUTy/0tsR
見滝原中央部の大通り。
中学校の下校時刻に広い歩道を二人並んで歩く学校帰りの美樹さやかと上条恭介の姿があった。
ヴァイオリニストを目指しながらも、交通事故による重傷で寝たきりの入院生活を余儀なくされていた恭介は、
さやかが魔法少女になる際の契約で、その傷-特にヴァイオリンを再開することを絶望視されていた手-を癒され、
今は松葉杖によるものながらも、付き合い始めたさやかの助けを得て登校を再開していたのだった。
片足にギプスをはめ、松葉杖で一生懸命歩く恭介を気遣ってさやかは生来の早足を抑え、恭介はそんなさやかに気を使わせぬようにと拙い動きながらも精一杯移動速度を上げようとする。

156: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:27:15.05 ID:bUTy/0tsR
しかし恭介はそんな一杯の動きながらも足元に注意を振り向けず、さやかの方に顔を向け熱っぽくしゃべっている。
恭介「さやかがこの前持ってきてくれたCD凄かったよ!シモン・ゴールドベルクの私家盤ライブ録音CD。
ゴールドベルクのライブ演奏がこんなに凄かったなんて、特にバルトークの無伴奏-」
さやか「-あ、あはは、あたしよくわからなくて、中古屋でとりあえず安かったから買ってみただけなんだけど…」
さやかは恭介の足元を気遣いながらも、話についていけなくて少し困ったように、
しかし、大半は恭介の顔の接近による照れからくるように、顔の前に両掌を防ぐように広げ、笑いながら答えた。
と、不意と二人の目が合った。恭介の目がじっとさやかの目を捉え、それに魅入られたさやかは背筋を伸ばしてぼーっとして動きを止める。
恭介「-さやか。僕はほんとに君に感謝してるんだ-」
さやか「-恭介-」

157: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:28:01.69 ID:bUTy/0tsR
しばらく往来の真ん中で見つめ合って立ち尽くしていた二人だが、ふと視線を感じてさやかが目を横に向けると-
-今日も登校していないはずの巴マミが私服姿でじっと二人の姿を見つめていた。
その双眸には暗い光が漂っている。

さやか「マミさ-」
くると身をひるがえし走り去るマミ。
戸惑う恭介をよそに、そんなマミの姿をさやかは暗い顔で見つめるばかりだった。

-----------------------------------------------------
公園のまばらな木立の間に駆けてきて入ったマミ。
膝に手をついてハァハァ息を切らせながらも、懸命に元の意思を取り戻そうとしているようだった。
マミの目には先ほど見た、後輩のさやかと恭介が見つめ合う姿の残像が、耳にはその時二人がかわしたささやき声のこだまが残っていた。

158: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:29:33.35 ID:bUTy/0tsR
見滝原市内の路線を通る電車の車両中
男A「それでね?俺その時持ち金も貯金も有り金全部無くなっちゃったわけ。あー、こりゃ強盗でもしなきゃ死ぬって思ったね。
 そしたらあいつに出会ってさ、あいつ俺の事情聞いたら家に一緒に住み込んでもいいって、飯も全部食わせてやるっていうのよ。ヒモ生活で俺助かったわけ」
男B「さすがショウさんすごい強運っすね」
男A「でさ、一緒に海行った時、あいつ沖の方で溺れかけてね?俺泳ぎ得意じゃん。ダッシュで泳いで行ってね、助けてやったわけ。
 そしたらあいつ今まで以上にベタ惚れして結婚してくれって。でもそのあと俺が他の女作ったら自殺未遂起こしてやんの。アハハ」
男B「うわ、女ってマジ最低。捨てるときがさぁ、ほんとウザイっすよね」

159: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:30:25.39 ID:bUTy/0tsR
と、その時向かいの席に座った豊かな金髪の少女がふと立ち上がった。顔には暗い翳が漂っている。
二人の前についと立つと、
マミ「その人のこと聞かせてくれません?」
男A「はい?」
男B「お嬢ちゃん中学生?夜遊びは良くないぞ」
マミ「その人あなたを助けて、あなたもその人助けたんでしょ。命の助け合いをしてどうして平然と切り捨てられるの?」
男A「何コイツ知り合い?」
男B「いや・・・」
マミ「ねえ、あたしが今まで人のために戦ってきたのは何なの?
 教えてくださいな今すぐあなたが教えてくださいよ・・・」

マミ「でないとあたし・・・」
少女の体全体から黒い瘴気が漂い出始めた。

160: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:31:23.34 ID:bUTy/0tsR
まどか「マミさん、こんなとこにいた」
宵口に街中でマミを見つけたまどかが追うと、魔力でこじ開けたものなのか、休業日か、閉店後かの人気のない喫茶店の扉が開け放されており、
マミはソファ席の一つに手に両膝を重ねて置いた状態で前かがみになって座っていた。
喫茶店の照明はついておらず、マミがつけたものなのか、大画面のテレビに映し出される映像だけが店内を照らしていた。

161: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:32:46.91 ID:bUTy/0tsR
まどか「マミさん・・・」
マミは横に座ったまどかの方にくるりと首を回す。目に隈が出来ており、髪は少し乱れ、睡眠不足と疲労からなのか、肌にやつれを感じさせる。
しばらくぼんやりした目でまどかを見ていたマミだが、ふっと力なく笑うと、再び、前に顔を俯け、
マミ「-以前、私が魔法少女になった時の話をしたわよね。両親を交通事故で失って、願い事で私だけが生き残ったって-」
まどか「-!」
マミ「-私はあの時からずっと一人で戦ってきたわ。ただ街のために、みんなのために、そして自分が魔法少女として一人生き残ったことを無駄にしないためにって。
 意味なんて-これも意味とはいえるけど-目的なんて無いと思っていたわ。少なくとも私個人のための意味なんてね。これが成り行きなんだって-」
まどか「・・・」
マミ「-でも、東郷さんに会って変わった。初めてこの人と一緒に戦いたい、支えてもらいたい-戦うことに意味を見出すことができたの」
まどか「マミさん・・・」

162: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:33:37.26 ID:bUTy/0tsR
暗い顔で見つめるまどかの方を向き、今度は自嘲気味にスンという鼻音交じりに笑うと、
マミ「-でもね、東郷さんは別の女の人と付き合っていた。それもうちの先生とね」
まどか「-でも、マミさん、それは-!」
両拳を握り、勢いよく立ち上がるまどかに腕を伸ばし、手のひらに乗せた物体を示すマミ。
まどか「あっ」
かつてマミの魔女退治に付き合っていたころ、まばゆいほど黄色く輝いていたソウルジェムが黒く、どろっと穢れ切っていた。
手を差し出したまま目を閉じ
マミ「もうこんなになっちゃたら魔女退治もできない。どっちみち私に意味はないんだけどね」

マミ「また一人ぼっちね」

163: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:35:07.82 ID:bUTy/0tsR
まどか「うわっ!」
ブワッとソウルジェムから空間を通した黄色い圧力が発し、まどかはその勢いでソファから軽く浮き飛ばされた。

ピシッ
ソウルジェムの表面がひび割れると、中から、輪っか内部の小さな丸い物体が浮いている空洞を無視して貫いたかのように装飾針が上下に通された形の灰黒い物体が現れた。
マミが魔女退治の後にしばしば拾い集めていたグリーフシードだ。

やがて、周りに黄色い空間が広がり現れ、喫茶店内部の風景が覆い尽くされていく。
その間にまどかが垣間見ると、マミはフッとスイッチが切れたロボットのように目から光が消え、ことりと横に倒れていた。

164: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:36:07.16 ID:bUTy/0tsR
『オホホホホホ』という声が四周から聞こえ、周囲は黄色地にところどころ白黒のチェック柄があつらえられた極彩色の景色に変貌していた。

まどか「-ッ!」
ティーカップやクッキーに奇妙に手足が添えられた存在達がちらほら現れ始め、まどかに迫る。

165: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:36:55.90 ID:bUTy/0tsR
ほむら「間に合ったようね」
まどか「-ほむらちゃん!マミさんが…!」
まどかは潤んだ目で横たえられたマミの姿を見る。
ほむら「事情は分かるわ。しかしとにかくここから逃げ出しましょう」
まどか「でも・・・」
再びちらりと、糸が切れた操り人形のようにだらんとしたマミの方を見やる。

ほむら「-・・・残念だけどもうどうしようもないことよ。手遅れで手の施しようがないわ」
まどかの手を引き、うながすほむら。使い魔たちの動きが再開し、迫ってくる。周囲の風景の細部が完成されていくにつれ、動きも活発化していっているようだ。

ガガウーンダーン
銃を何発か使い魔に向けて発砲して走り出すほむら。
引かれたまどかは名残惜しそうにちらちらとマミの体の方を見やるが、勢いに負けてともに走り出し、やがてマミの姿は完全に見えなくなった。

166: 165投稿ミス 2014/11/14(金) 17:38:43.45 ID:bUTy/0tsR
ダーンガウーン
銃声が響き、使い魔の何体かが倒され、迫っていた使い魔たちの動きがピタリと止まる。

ほむら「間に合ったようね」
まどか「-ほむらちゃん!マミさんが…!」
まどかは潤んだ目で横たえられたマミの姿を見る。
ほむら「事情は分かるわ。しかしとにかくここから逃げ出しましょう」
まどか「でも・・・」
再びちらりと、糸が切れた操り人形のようにだらんとしたマミの方を見やる。

ほむら「-・・・残念だけどもうどうしようもないことよ。手遅れで手の施しようがないわ」
まどかの手を引き、うながすほむら。使い魔たちの動きが再開し、迫ってくる。周囲の風景の細部が完成されていくにつれ、動きも活発化していっているようだ。

ガガウーンダーン
銃を何発か使い魔に向けて発砲して走り出すほむら。
引かれたまどかは名残惜しそうにちらちらとマミの体の方を見やるが、勢いに負けてともに走り出し、やがてマミの姿は完全に見えなくなった。

167: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:40:00.20 ID:bUTy/0tsR
さやか「あれっ、転校生に-まどか!?」
目の前に剣を引き抜いた構えの、騎士服の魔法少女姿のさやかが現れた。
まどか「さやかちゃん・・・」
さやか「急に強力な魔力にソウルジェムが反応しだしたからさ、来てみたんだけど-」
きょろきょろと周囲を見回すさやか
さやか「この風景、どっかで見覚えがあるような…」
ほむら「魔女化したマミの結界よ」
さやか「-はあ!?あんた何言ってんの!?」
まどか「ほんとだよさやかちゃん・・・」
暗い顔で力なく言葉を発したまどかを見てひるんだように口をつぐむさやか。

今しがた二人が逃げてきた箇所から『オホホホホホ』という声が響き追ってくる。
わらわらと使い魔たちの群れの姿が見え始めた。

ほむら「話してる暇はないわ。とりあえずここから脱出しましょう」
走り出す三人

168: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:40:56.34 ID:bUTy/0tsR
見滝原ショッピングモールの最上階
フードコートの一角の、緑地に白の英字の洒落たデザインの天幕やパラソルが巡らされているカフェの、
骨組みに布地でできたチェアの一つに脚を組んで寄りかかり、夕日の方を眺めながらゆったりと葉巻を吸うゴルゴの姿があった。

ほむら「呼び出して悪かったわね」
携帯電話でゴルゴを呼び出した暁美ほむらがそばに姿を現す。
ゴルゴ「・・・何の用だ・・・?」
悠然と葉巻を吸い続けるゴルゴ
ほむら「マミが魔女化したわ」
ゴルゴ「!」
指で葉巻をつまんだ腕が空中でピクリと止まる。

169: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:41:55.37 ID:bUTy/0tsR
ほむらの方を向き、
ゴルゴ「ソウルジェムが・・・濁り切ったのか・・・?」
ほむら「ええ、そうよ。原因は-
-あなたへの失恋のようよ」
ゴルゴ「・・・」
再び元の姿勢に戻り、葉巻を吸い直すゴルゴ

黙ってその様を眺めていたほむらだが、やがて口を開き、
ほむら「動揺しないようね?」
ゴルゴはゆっくりと葉巻をふかしながら
ゴルゴ「俺には・・・関わりのない話だ・・・」
ほむら「-そうね・・・私もとうにそういう段階は過ぎたわ」

共に暮れ落ちようとする夕日を眺める二人の顔を赤い残照が照らした

170: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:42:50.11 ID:bUTy/0tsR
---------------------------------------------------------
「何!?マミの野郎がやられただと!?」
キュウべえ「やられたというのは正確な表現ではないが、とにかくマミ自身はもうこの世にいないほうがいいと思ったほうがいい」
「-ちっ・・・、何だよ、わかりにくい言い方しやがって」

キュウべえ「今あの街には極め付きのイレギュラーが二人いてね、どう動くは僕にも予想がつかない。-そして、そのうちの一人が今回のマミの原因を作ったと言ってもいい」
「なるほど・・・、そいつがマミにちょっかいかけたってわけか・・・。面白え」
少女はむしゃりと手にした食いかけの鯛焼きを食いちぎった。

171: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:44:17.87 ID:bUTy/0tsR
見滝原の街中をさやかと恭介が談笑しながら歩いている。
松葉杖で苦労して歩きながらも、恭介は明るく上機嫌で脇にいるさやかに積極的に話しかけている。
それを聞くさやかはどこか心にかかることがありげで時々上の空の表情を見せるも、それでも恋人と一緒に過ごす時間に満足を得ているらしく、時々にこやかな笑顔を見せる。

恭介の移動速度に合わせる形でゆっくり歩みを進める二人の前に突如一人の少女が立ちはだかった。

「ふ~ん、あんたが美樹さやかかい」
年はさやかと変わらない程で、きつい釣り目、赤毛のポニーテールに緑のパーカージャケット、ホットパンツといういでたちで、
つかつかと二人の前に来ると無遠慮に顔を突き出し、下からじろじろとさやかの顔を覗き込んだ

172: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:45:13.42 ID:bUTy/0tsR
さやか「ちょ、ちょっとあんた誰よ」
戸惑いを見せながらも、傍若な少女の態度に反発を見せ、怒るように顔を見返すさやか。

恭介「さやか、この子は-?」
心配そうにさやかの方を見やる恭介に今度は顔を向け、しばらくまじまじと二人を見比べた後、
「へ~、あんたら付き合ってるのかい。こりゃまたずいぶんな優男だね」

173: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:46:15.07 ID:bUTy/0tsR
さやか「ちょっといい加減にしてよ!あんた誰なの!?」
恋人にも遠慮なく加えられた言葉に激昂して、怒鳴るさやか。
少女は顔を引き、きょとんとした顔で怒るさやかの顔を見るが、すぐに八重歯をのぞかせてにっと笑い、
杏子「あたしは佐倉杏子ってんだ。あんたのお仲間さ。
 -キュウべえに聞いてこっちに来たんだ」
さやか「-ッ!」
恋人の異変を感じた恭介が、今度ははっきりと不安の色を顔に浮かべて二人を交互に見やる。
恭介「ねえ、さやか-」
杏子はジ口りと恭介の顔を見やるとすぐにさやかに顔を戻し、
杏子「ねえ、あんたも聞かれちゃまずい話だろう。顔貸してくれないかい?」
さやか「-う、うん-」
明らかに調子を落とした声で小さく答えると、今度は恭介の方を向き、
さやか「ごめん恭介、ちょっと大事な話があるんだ。一人じゃ大変だろうけど-ちらりと恭介の松葉杖を見やる-ちょっとここでお別れしていい?」
恭介は以前戸惑っていたが、ただならぬ事情を察したのか
恭介「-うん、さやか。今日もありがとう、また明日ね」
浮かない顔でうなずき、松葉杖を一生懸命動かしながら一人今まで向かっていた方向に先に進み、二人から離れていった。
それを見送った杏子
杏子「なかなかよさそうな彼氏じゃん。ま、あたしの好みじゃないけどね。-で、話ってのは-」
再びさやかの顔を覗き込み
杏子「-今こっちに東郷って男が来てるそうじゃん。そいつに用があんのさ」

174: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:47:21.96 ID:bUTy/0tsR
夕暮れ時の人気のない見滝原の街外れの公園に、ゴルゴとまどかが二人向かい合って立っている。
まどかがゴルゴに会うために、彼の連絡先を知っているほむらに頼んで待ち合わせの都合をつけてもらったのだ。
威圧的なゴルゴの風貌に比べ、まどかは内気な女子中学生らしく、おどおどと突っ立っているが、それでも思っていることを伝えようと、か弱い声を懸命に絞り出す。
まどか「あの・・・東郷さん…。マミさんのこと・・・駄目だったんですか…?」
ゴルゴ「・・・
 -俺は子供には興味がない・・・。仮にマミが大人であったとしても、俺は一人の女を愛する生き方を送れるわけではない…」
まどか「・・・」
まどかは今にも泣きだしそうに地面に目をやり顔を俯け顎を引き、キュッと胸にやった両手を握りこんだ。
ゴルゴ「・・・話はそれだけか・・・。行かせてもらうぞ・・・」
その場を立ち去るゴルゴ。
しばらく泣きそうになるのをこらえるかのようにその場に立っていたまどかだが、
街の中心部に向かうゴルゴと方向が同じなのか、しばらくした後、タッとゴルゴの後を追ってついていった。

175: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:48:19.03 ID:bUTy/0tsR
街の中心部に向かって並んで歩く二人。ゴルゴの背丈からすればさっさと歩いていけそうなものだが、黙ってついてくるまどかを気遣ってのものなのか、どこか抑えた歩調で歩いている。
それでも女子中学生の中でも小柄なほうのまどかにはきついらしく、時々パッと小走になってついていく。

二人が郊外の工場が立ち並ぶ路地裏の、パイプや排気ダクトが張り巡された壁面に挟まれた通り道を歩いていると、向かいからばったりと二人組がやってくるのに出くわした。

176: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:49:31.43 ID:bUTy/0tsR
さやか「-まどか!東郷さん!?」
杏子「へ~、これが東郷ってのかい、こりゃ奇遇だね。話に聞いていた通り、いかにも凶悪そうな顔つきしてるや。
 -ゴルゴの後ろに小さく身を屈めてついているまどかに目をやり-マミの次はこの子にちょっかいかけようってわけかい?腐った大人だね」
さやか「ちょっと、東郷さんはそんな人じゃ!-」
さやかに構わずつかつかとゴルゴの前に来、自分よりはるかに上背も横幅もある相手をずいと不敵に見上げる。
杏子「あたしは杏子ってんだ。話は全部そこにいるさやかから聞かせてもらったよ。あんたがマミが魔女になっちまった原因を作ったんだってね」
その場の張りつめた空気に緊張しながらも、杏子の最後の言葉を聞くと、落ち込んだように顔を曇らせるさやかとまどか。
杏子「正直キュウべえがあたしたちを騙してたのは気に食わねえが-あの野郎、次見かけたらぶっ殺してやる-、あたしはあんたにもっと腹が立ってるのさ。
 マミとは仲が良かったわけじゃないが、それなりの付き合いだったし、そんなあいつの気持ちを弄ぶなんてね」
ゴルゴ「・・・」

177: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:50:56.62 ID:bUTy/0tsR
厳しい目で黙って杏子を見つめているゴルゴの顔をじっと眺めてにいっと笑うと、手のひらからソウルジェムを浮かびだし、
パアァァァァァッ
光と共にノースリーブの、ボタン留めがへその上あたりで終わり、そこから左右に長い白の縁飾り付きの裾が流れた、赤を基調とする魔法少女姿に変身した。
赤いソウルジェムは、胸の上部に小さく菱形に肌を露出して開けられた服の窓の部分に上下につながっている。

同時に出した、穂先が巨大な三角形の槍を構えると、
杏子「あたしと勝負しな」
ゴルゴに向けて槍を突きつけた。

178: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:51:56.85 ID:bUTy/0tsR
まどか「-!」
さやか「-あんた、何言ってんのよ!」

足を踏み出したさやかを無視して、
杏子「どうした、怖いのかい?」
チラチラとゴルゴに向けた穂先を揺らす杏子。
ゴルゴ「・・・」
睨みあう二人。

「やめておきなさい」
突然、杏子が突き出した槍の穂先とゴルゴの間の空間にふわっとほむらが現れた。
杏子「-!?」
ゴルゴ「・・・」

179: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:52:55.07 ID:bUTy/0tsR
すたっと着地したほむらは片手でふぁさと髪をかき上げると、杏子の方を向いて、
ほむら「佐倉杏子、この戦いには益がないわ。さっさとその槍をしまいなさい」
動揺する杏子。
杏子「-ッてめえっ!いったい何しやがった!それにどうしてあたしの名前を…ッ!」
ほむらに対して焦ったように怒鳴る杏子だが、ハッと気づいたように、
杏子「-そうか-、てめえがキュウべえが言っていたもう一人のイレギュラーとかいうやつだな」
依然怪訝そうにしながらも、半ば納得する材料を得たことに満足の表情をすると、間に入るほむらを避けて再びゴルゴに視線を戻し、
杏子「どうしたい?でかい図体していい大人が、あたしみたいなか弱い女の子に挑まれて怯えるのかい?それに他の女子中学生にかばってもらったりしてさ」
ほむら「杏子-」
ゴルゴ「・・・」
杏子をたしなめようとするほむらの前に片腕を出す形でずいと足を踏み出し、
ゴルゴ「いいだろう・・・」

180: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:54:52.95 ID:bUTy/0tsR
まどか、さやか「-!」
ほむら「-東郷!魔法少女の杏子の強さは半端じゃないわ、ここは引いて-」
ほむらを無視して、路地の両側に高くそそり立つ工場の壁際に向かい、
そこに立てかけてある2メートルを少し超す長い建材を手に取ると、再び元の位置に戻り、建材を杏子に向ける形で構えた。
はじめは成り行きにぽかんとしている風の杏子だったが、腰を落として正面に構えるゴルゴを見るとにやりと笑い、
杏子「へー、いい度胸じゃん。武器はそんなちゃちな木切れでいいのかい?
 なんならあたしがもう一本槍を出してやってもいいぜ?もっともあんたに使いこなせるかは知らないけどよ」
ゴルゴ「これで結構だ・・・・」

181: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:55:47.11 ID:bUTy/0tsR
ほむら「-・・・」
避けられない戦いを予期したのか、ほむらが二人の間の位置から身を引く。それぞれ遠巻きに心配そうに見守るまどかとさやか。

杏子「大丈夫だっておっさん。殺しはしないからよ。
 -ただちょっと長い間ねんねしてもらうぜえっ!」
ズアッと槍を繰り出す杏子

182: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:56:47.93 ID:bUTy/0tsR
カンッカンッカンッ
杏子が繰り出す突きを、足を前後左右に動かし、腰と腕の捻りで扱う材木で捌くゴルゴ。時々隙を見てヒュッとリーチの長い攻撃が杏子の体目指して突き出される。
カンッカンッカンッ・・・

杏子「-っ・・・!」
突き出した槍を体さばきで横に避けられ、逆に繰り出された突きを顔面すれすれでかわした杏子。
少し間合いを取って、やや凶暴そうににやりと薄く笑うと、
杏子「-へー・・・やるじゃん。じゃあこっちもペースアップしていくかな」

183: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:57:55.26 ID:bUTy/0tsR
以前より素早い突きがより短い間隔で次々繰り出されてゆく。
ゴルゴは足捌きと腰の捻りをますます速めて、間合いを取る角度と距離を広くとって素早く捌いてゆく。
カンッカンッカンッカーンターンタンッ・・・

それを呆然と見守る三人。
まどか「-すごい・・・」
さやか「おじさん・・・」
ほむら「(まさか生身の体で魔法少女の杏子と渡り合える人間がいるなんて…。ゴルゴ13がこれほどとは…)」

184: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 17:58:56.53 ID:bUTy/0tsR
杏子「-・・・ッちっ・・・」
苛立ったように打ち合いを中断し、タンと足を後ろに蹴り出し、ゴルゴから大きく間合いを取る杏子。

杏子「まさかあんたがこれほどとはな・・・」
杏子はずいと腰を落とし、前屈みの姿勢になると、槍先を左斜め下の地面に向けた彼女の全身から赤い魔力の蒸気が薄く漏れ出てきた
杏子「まさかただの人間相手にこの技を使うことになるとはねえ…」

それを目にしたほむらがはっと息を呑む。
ほむら「-・・・!(-あの技は…っ!)」

杏子「ロッソ・ファンタズマ!」

185: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:00:05.82 ID:bUTy/0tsR
ブワッっと杏子の体が、間に薄い赤い影の残像を引きながら左右に分かれた。
分身した数体の杏子はゴルゴの正面と斜め前に弧を描く形で取り囲むように位置すると、一斉に槍の鋭い突きをゴルゴに向けて喰らわす。
ゴルゴ「-!」
咄嗟に後ろに飛びのくゴルゴ、しかし彼の注意が逸れた建材の得物の先に何本かの繰り出された槍の穂先が接していた。
杏子「-もらいぃっ-!」
ガッと、槍を大きく振り上げる杏子。
建材は杏子の攻撃から退き、意識が薄くなって握りが弱くなったゴルゴの手を離れ、
宙高く弾き飛ばされ、数メートル離れたところにカラカラと音を立てて落下した。

186: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:01:15.61 ID:bUTy/0tsR
ゴルゴは弾き飛ばされた建材の落ちる先を一瞬見たが、またすぐに右手足を前とする半身の構えで杏子に向き直った。
後ろの左足に重心を置いた猫足立で、手は手刀の形だが、指先は緩く力が抜け、軽く曲がっている。彼の額からは汗が出ている。
ゴルゴが構えるのを眺めた杏子は槍を首の後ろに回し、軽く首に引っかけるよう形で、片方の手でポンポンと後ろから柄を叩くようにし、
杏子「いい反射神経してんじゃん。でもあんたは武器を飛ばされたわけだけど、まだやんの?土下座して謝るならまだ許してやってもいいんだぜ?」
ゴルゴ「・・・!」
じりっとすり足に足の重心を変え、慎重に構えを移し続けるゴルゴ。額には以前汗が浮かんでいるが、眼はじっと杏子を睨み続けている。

187: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:02:24.88 ID:bUTy/0tsR
杏子「-ふぅん・・・-」
肩に乗せて槍を弄んでいた杏子の目の虹彩が薄くなった。感情を込めない冷徹な目でゴルゴを見つめている。

と、またすぐに自信の溢れる輝く強い目でゴルゴを見つめると、また槍先を左斜め下に地面に向ける腰を落とした構えを取り、
杏子「いいだろう。なぶって痛めつけるのは好きじゃないんだ。さっさと片を付けて病院に送ってやるよ。
 -もっとも下手すると死ぬかもしれないけどな!」

188: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:03:35.08 ID:bUTy/0tsR
ほむらのそばににじり寄っていたまどかがほむらの袖を軽くつかんでキュッっと引っ張り、
まどか「駄目だよあんなの…素手じゃ勝てっこないよ…東郷さん殺されちゃう…」
ほむら「-・・・っ!」
ほむらの目にめずらしく焦りが浮かび、歯を強くくいしばっている。
さやかは目に絶望の色を浮かべて対峙する二人を眺めている。
さやか「東郷さん…」

杏子は最後にもう一度ゴルゴの方を軽く下げた顔から見上げる形で覗き、
その眼がなおも自分を強く見据えているのを確認すると、にっと八重歯を見せて獰猛な笑みを浮かべ、
杏子「ロッソ・ファンタズマ!」
ブワッっと左右に分身して一散にゴルゴに向かって槍を突き立てた。

189: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:04:41.08 ID:bUTy/0tsR
ガキッ
次の瞬間、分身した杏子達の繰り出す槍の内の一本の柄の先の方が、腹のあたりで攻撃をねじりかわした体勢のゴルゴの両手に握られていた。
残りの杏子達の繰り出した穂先はゴルゴの体をうっすら貫いているが、それを持つ体もろとも半透明で、今にも消えそうだ。
杏子「-何っ!?」
槍を掴まれた杏子が驚きの声を上げている間に、残りの杏子の体たちがスーッと消えてゆく。

190: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:05:41.88 ID:bUTy/0tsR
ググッ・・・ググッ・・・
互いに槍を掴んで引きあう二人
杏子は額に怒りと焦りの汗を浮かべながらゴルゴを睨み、
杏子「-・・・ッてめぇっ・・・、何でかわせやがった…ッ!」
同じく額に汗を浮かべ、掴んだ槍を引くゴルゴ。
ゴルゴ「-・・・先ほど弾き飛ばされた感覚では・・・その魔法・・・実際に分身するのではなく、視認系を混乱させるだけのもののようだな・・・!
 ・・・そして・・・、風圧で送られてくる本体の匂いまではごまかすことができなかったわけだ-・・・」
「!」
四人が唖然とした。
ほむら「(ロッソ・ファンタズマもかわすなんて…、本当の怪物【モンスター】だわ・・・!)」

191: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:06:44.52 ID:bUTy/0tsR
杏子は槍を引き合いしながら、額に汗を浮かべながらも、にやりとした笑みを浮かべ、
杏子「-へぇ・・・なるほど・・・、あんた本当に大したもんだぜ。マミが惚れるわけだ。-
 -だが!」
ぐいと槍を引くと、ゴルゴが強く引き込まれる。
ゴルゴ「!」
杏子「どうしたい、おっさん。こんな女の子の細腕に力で引き負けてどうすんのさ!」
勢いでますます強く引こうとする杏子の槍を掴んだまま引っ張られる、一瞬浮かび上がりかけた体を足腰を踏ん張ることで懸命に立て直す。
しかし杏子はまだグイグイと引いてくる。ゴルゴの足の裏は今にも地面から引きはがされそうだ。
ゴルゴは歯を強く食い縛り、額の汗はもはや滝の様相をなしていた。
ゴルゴ「(-魔法少女の身体能力強化・・・!)」

192: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:08:04.72 ID:bUTy/0tsR
ゴルゴは前方に持っている右手を放すと、ザッと素早く右足を、左足を前にした姿勢の杏子の前に進めるとともに、
相手の槍を掴んでいる前方の左手と後方の右手の間の柄のスペースに、先ほど放した右手を杏子の左腕の下から差し入れ、下手持ちに掴んだ。
杏子「-あぁ-?」
そのまま、自分よりはるかに小さな体躯の杏子に合わせて深く腰を沈め、ぴったり背と腰を杏子の体に密着させながら、
両手で槍を大きく捧げ挙げ、頭上に持ち上げた時点で体全体ごと両足をくるりと反転し、槍を持ったままつられて動かされている杏子の腕ごと、真っ直ぐ両手に槍を引き下ろした。
半ば前屈みになりながら両腕で、水平に持った槍を地面すれすれに着くまで強く引き下ろすと、
ドサッ
その両手に槍の柄を掴んだまま、仰向けの形で杏子が強く背中を叩きつけられていた

193: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:09:14.66 ID:bUTy/0tsR
杏子はぽかんとしており、地面に背中を打ち付けた痛みよりも、いつの間にか仰向けに倒されたことに対する驚きの方が強いようだ。事態を理解していない表情をしている。
間髪入れず、頭の上にだらんと伸ばした腕の手から槍を引き離すと、杏子の両手首をつかみ、
相手の腰のあたりで後ろ手に肘を曲げて交差させる形で搦め、自らが立ち上がるのに合わせて引き起こすようにねじり上げた。
杏子「-いっ、痛っ、いっ、-ちょ、てめえ-いったい何しやがったんだよ!」
ゴルゴは冷たい目で依然杏子の両腕をねじり上げながら、
ゴルゴ「相双手捕りからの四方投げ切り落としは杖術の基本技の一つだ…」
杏子「-なっ-・・・、-てめぇっ・・・-杖術だと・・・!?-」

194: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:10:55.73 ID:bUTy/0tsR
ほむら「そこまでよ佐倉杏子。勝負あったわ」
腕をねじり上げられ、痛みに顔をしかめながらもがく杏子の前に、ふぁさと髪をかき上げながらほむらが進み出た。
杏子「-何だと-てめぇ-・・・、-痛っ・・・-!」
唯一自由になる足をもがかせながら抵抗しようとする杏子に対し、
ほむら「それ以上抵抗しようとするなら東郷は容赦なくあなたの腕を折るか肩を外すわ。
-もっとも魔法少女ならそれだけなら何とかなるでしょうけど、この上続けるならそれからどう痛めつけられるかわからないわよ」
杏子「-・・・ッ!」
腰がやや前かがみの姿勢になり、俯いた顔から怒りを込めてほむらを睨む杏子だが、やがて観念してだらんと体全体の力を抜き、
杏子「わーったよおっさん・・・。あたしの負けだよ」
ゴルゴ「・・・」
依然冷たい目ながらも徐々に締め上げた腕の力を抜いていくゴルゴ。
杏子は腕の自由が取り戻せた時点で、まだ肩と上腕に痛みが多く残る腕をばっと振り払い、
ゴルゴの握りを緩めた手から引き離すと、落ちた槍を拾い、片手でゴルゴに向けて突きつけ、
杏子「-いいかい、今日はあんたに負けたけど、マミのことを許したわけじゃないからな。
 これからもあたしら魔法少女にちょっかいかけようってんなら今度こそ遠慮なくぶっ潰してやる」

シュンと魔法少女の変身を解いて立ち去る杏子を4人は黙って見送った。
「・・・」
ゴルゴ「・・・」

195: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:12:14.86 ID:bUTy/0tsR
夜8時。
見滝原の大公園のぐるりを取り囲む、磨き上げられた大きな正方形の敷石が敷き詰められた遊歩道。
そのところどころには正方形の立方体の形をしたモニュメントらしきものが規則正しい間隔を置いて立っている。
ベンチに腰掛けるまどかと、その脇にベンチの上に乗った形でちょこんと座っているキュウべえがいる。

まどか「-どうしてみんなを魔女にする必要があるの・・・-」
キュウべえ「エントロピーの増大によって宇宙全体のエネルギーが失われてゆき、このままでは先細りになって終焉してゆく。
 それを防ぐために感情を持つ君たち人間の魔女化する際放出される多量のエネルギーが必要になるんだ」
ゴルゴ「-・・・クラウジウスの熱力学第二法則か・・・」
まどか、キュウべえ「!」
モニュメントの陰からゴルゴが現れた。着ているスーツのズボンポケットには右手が親指を出した状態で軽く差し入れられている。

196: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:13:31.20 ID:bUTy/0tsR
キュウべえはゴルゴの突然の出現に一瞬ぴょこんと背筋を伸ばしたが、すぐに状況を受け入れたように軽く首をかしげると、
キュウべえ「-なるほど。ここではそういう呼ばれ方をしているようだね。発見されたのは-ここ地球暦で-150年ほど前か。
 もっとも僕たちは何千万年も前からそれへの対策を模索してきたんだけどね。
 その一つの有効な方法として今回の魔法少女から魔女にする手段が発見され、利用されているというわけさ」
ゴルゴ「・・・」

キュウべえはしばらくクリクリとした目で睨むゴルゴの顔を黙って見ていたが、やがて少し目を閉じた後口を開いた。
キュウべえ「-僕も君のことを調べさせてもらったよ。-ゴルゴ13」
ゴルゴ「!」
まどか「!?」

197: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:16:32.60 ID:bUTy/0tsR
一瞬目を見開いた後、ますます強く睨みつけるゴルゴに対し、
キュウべえ「世界的なスナイパーにして、破壊工作、殲滅活動も請け負う一匹狼のテ口りスト。その依頼成功率は99.9パーセントを越えるという。
 -前から感づいてはいたが、-やはり君の狙いは僕のようだね?」
まどか「!」

プシュッという音が響いた一瞬後にビスッともドガッともつかぬ音が続くと、キュウべえの額に大きな穴が開き、その頭は受けた衝撃で大きくのけぞっていた。
まどか「!」
まどかが前のゴルゴに目をやると、いつの間にかサイレンサーを付けた銃を抜き撃っており、その銃口からは薄い煙が漂い出ていた。
キュウべえ「-図星のようだが、僕を倒すには火力不足のようだね?」
頭をベンチの背もたれに接しんばかりにのけぞらせたまま、額に穴を空けて眼をぐったりとさせながらも、やや低くなった声が喉から漏れ出る。
大きく後ろにのけ反って体全体をふらつかせた頭の重心を元の位置に戻すことで安定を取り戻し、
またちょこんとした体勢に戻ると、再び目はクリクリと輝き、何事もなかったかのように普段の高い声で言葉を続ける。
他の部分が普段と変わらないだけに、額に風穴を空けたまま平然としゃべる姿が不気味だ。

198: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:17:38.20 ID:bUTy/0tsR
キュウべえ「そして、あの時僕の額をこんな風に撃ち抜いたのも君の仕業だね?ゴルゴ13。
 ほむらに受けた攻撃にしては魔力が感じられなくておかしいと思った。-まあ、おかげで少しやりやすくなったのも事実だったが-」
まどかがビクと体を動かす。恐ろしい現実を直視した顔で、怯えたように傍らに座るキュウべえを見やる。
まどか「-まさか、そんな-、じゃああの時のは-・・・」
初めてキュウべえに出会った時のことを言っている。
キュウべえはグルリとまどかに首を回す。怯えたまどかが見下ろす丁度目立つ目線に額の風穴が位置している。
キュウべえ「その通りさ。あの時もこの通りピンピン-とまではいかないが、それなりに元気だった。正直ほむらにやられた傷も大したものじゃなかったしね。
 しかし、まどか-君を注意を引くには充分以上だったわけさ-」

199: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:19:13.66 ID:bUTy/0tsR
ザスッ
今度は巨大なサバイバルナイフがキュウべえの、その大きな頭には不釣り合いなほど細い首を貫き、木のベンチの背もたれに刺さっていた。
再びまどかが前を見やると、ゴルゴが手を開いたまま右手を大きく伸ばし、左手はバランスを取るように斜め下に伸ばされ、
脚をやや開いた体全体が、伸ばされた右腕の肩に合わせる形でやや前屈みになっている。
サバイバルナイフの刃はキュウべえの細首より幅が広く、完全に貫通した形では、そのほとんどを切断する形になっており、
毛を生やした皮一枚で頭と胴体がつながっていたが、やがて、体全体の大部を占める頭の重みに引かれて、ぐらりと傍らのまどかの方に倒れかかった。
まどか「-ひっ!」
思わず後ずさり、ベンチから立ち上がるまどか。ゴルゴは倒れるキュウべえの体をじっと睨んでいた。
ゴルゴ「(-やったか・・・?)」

200: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 18:20:35.06 ID:bUTy/0tsR
キュウべえ「困るなあ」
ゴルゴ、まどか「!」
何メートルか離れた横手のモニュメントの陰からひょっこりとキュウべえが現れた。五体満足の彼はひょこひょことこちらに近づいてくると、ゴルゴの方に顔を向け、
キュウべえ「代わりはいくらでもいるんだけどね。もったいないじゃないか」
そう言うとベンチに飛び乗り、眼を見開いている二人の前で、その小さな口で食べるというよりは吸い取るという様に首を切断された自らの体を口にし始め、
あっという間に食べ終わると、『きゅっぷい』というげっぷのような音を出して満足そうにベンチに横たわってゴルゴの方を向いた。
キュウべえ「-しかし君と僕には共通点があると思うね」
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴは話しかけてくるキュウべえを厳しい目でじっと見つめる。

202: 以下、VIPがお送りします 2014/11/15(土) 00:30:05.85 ID:T6f9KzZ2P
キュウべえ「僕たちも感情が無いが、君も僕たちにかなり近いと思うね。暁美ほむらも冷徹【クール】なようでいて、彼女は違う。内に激しい感情を秘めている。
 しかし君は感情を乱さない本当の機械【マシーン】だ。恐らくマミが魔女化したにあたっても毛ほども動揺しなかったんじゃないかな?」
まどか「マミさん…」
じっと聞いていたまどかだが、マミの名前が出ると、胸にやった片手をきゅっと握りこみ、思わず言葉を漏らしてしまう。
キュウべえの話を黙って聞いていたゴルゴだが、やがてきいたその口はいつも以上に強(こわ)い調子だった。
ゴルゴ「・・・俺は、契約の際の嘘や裏切りを決して許さない・・・!それが故意に重要な事実を隠したものであってもだ・・・!」
きつく眉根が寄せられ、釣り上げられた眼は、キッとキュウべえを睨みつけている。
キュウべえ「-なるほど。一匹狼で生きるための、依頼人【クライアント】に求める最低かつ絶対条件で、同時に君自身の仕事人【プロフェッショナル】としての矜持とポリシーというわけかい?
 君の奥深くに潜んでいる誠実さと言ってもいいのかも知れないね」

203: 以下、VIPがお送りします 2014/11/15(土) 00:30:37.32 ID:T6f9KzZ2P
キュウべえはむくりと体を起こすと、
キュウべえ「-さて、僕は行かせてもらうよ。何度も体を潰されたんじゃもったいないからね」
ひょいとベンチから飛び降りた。
ゴルゴに顔を向け、
キュウべえ「差し当たっての君達の戦うべき相手は魔女化したマミだ。彼女は手強いと思うよ。どう戦うかお手並み拝見させてもらおうじゃないか」
今度はまどかにくるりと首を向け
キュウべえ「まどか、君が仲間やお友達の命を助けたいと思うなら僕はいつでも君を魔法少女にして力を与えてあげられるよ」
そう言い置くと、とっとこと夜の闇の中に消えていった。

黙って立ってそれを見送る二人。
まどか「・・・」
ゴルゴ「・・・」

引用元: http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1415805596/



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コメント

  1. 1 名無し @オレ的VIPPER速報 2014年11月18日 13:11
    1は貰ったあ!

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