golgo_1_1024


1: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:19:56.26 ID:0qGp/vX3B
魔法少女父「そうだっ!失踪した私の娘の日記を見るとあの子はキュウべえというやつに魔法少女にされて、それからおかしくなってしまったんだ!
 初めは楽しげな内容だったのに徐々に様子がおかしくなっていく。そして私たち両親があの子の異変に気づき始めた頃とも合致するんだ」
 
葉巻の煙を吹きだすゴルゴ
ゴルゴ「…その日記はあるのか…?」
父「もちろん持ってきてある!読んでみてくれ!」

(パラパラ)
ゴルゴ「・・・」

父「どうだっ!?世界的スナイパーの君にこういう話をしても荒唐無稽と思われるかもしれないが、私にはその日記は真実を書いているとしか思えないのだ!」

パラパラ
ゴルゴ「わかった・・・依頼を受けよう・・・」
父「おおっ!感謝するっ!Mr.トウゴウ!」

00: オレ的VIPPER速報てきなやつ 2014年 RSS記事一覧 :ID/dkajdiojf
2: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:20:38.37 ID:0qGp/vX3B
夜8時
車で国道からやや逸れて見滝原市への入り口の一つを通るゴルゴ

ブォーッ
ゴルゴ「・・・」

ゴルゴ「!」
通過中の廃屋の壁に奇妙なものを見つけたゴルゴは車を止めた。
バタン
車から降りてドアを閉めると観察するために近寄ったゴルゴ。
ゴルゴ「・・・」

ゴルゴが奇妙なカビのようなものに手を触れようとすると辺りの景色が急にぐにゃりとゆがむ
ゴルゴ「!?」

夏の夜の街灯と街の光に照らし出された薄闇は急に極彩色の景色に覆われ始めた
ゴルゴ「・・・!」
スーツ内の懐の銃に手をかけ身構えるゴルゴ

と、奇妙な丸い小動物が周囲に現れ始め、ゆっくり彼を包囲し、迫ってきた
ゴルゴ「!」
ズギューン
ヒュンッ
ゴルゴが撃った銃弾は小動物に吸収された。
ゴルゴ「(銃が…きかない…!?)」

3: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:21:31.91 ID:0qGp/vX3B
いつの間にか包囲されたゴルゴだが、頭上に奇妙に垂れ下がるロープをつかんで小動物の上を飛び抜け、その場を走り去った。小動物たちは方向転換をし、彼をゆっくりと追ってゆく。

ゴルゴ「!」
ゴルゴが走っているとやがて果ても見えない奇妙に襞のように曲がりくねった絶壁の壁に突き当たった。
ゴルゴ「(行き止まりか…」

ガウーンガガウーン
ヒュンッヒュンッ
ゴルゴが撃つ銃弾はことごとく小動物たちに吸収されてゆく
ゴルゴ「(・・・!)」
ゴルゴは目を見開き、額から汗が出始めた。

ダーンダーン
銃声が響く
本能的に身構えるゴルゴだが、同時にその銃声に違和感を覚えもした
ゴルゴ「(これは・・・マスケット銃か…?)」

見ると彼を包囲していた小動物たちがなぎ倒されている

「危なかったですわ、おじさま」
ゴルゴ「!!!」

4: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:22:14.02 ID:0qGp/vX3B
薙ぎ倒された小動物たちを踏み越え、中世の砲兵服姿の豊かな金髪の少女が目の前に立っていた。
マミ「私の名前はマミ。信じられるかわかりませんけど、魔女たちを退治する魔法少女の仕事をしておりますの。-もっともこの結界は使い魔たちだけのようですけどね。めぼしいのは全部倒しましたしもうそろそろ結界が元に戻る頃ですわ」
ゴルゴが厳しい眼でマミと名乗る少女を見つめていると徐々に周囲の風景が戻り、 また元の見滝原市への入り口の、ぽつぽつと街灯が立っている街外れの道路上の夜闇の中に立っていた。

マミ「しかしおじさま、使い魔たち相手とはいえあの結界の中で逃げおおせるなんて・・・。-それにその銃・・・」
ゴルゴ「!」
ゴルゴは思わず手に握っていた銃を見つめる

目を細めるマミ
マミ「何か特殊なご職業のようですわね。私は詮索しませんが…くれぐれもここで物騒なことはなさらないでくださいね」
軽く微笑んだ。

5: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:22:41.28 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴはじっと見つめていた銃を懐に戻した。
ゴルゴ「遅くなったが感謝する・・・」
マミ「いえ、どういたしまして」
目を閉じ、ぺこりと礼儀正しく頭を下げるマミ。
そこに耳の長い奇妙な白い動物がひょこっと現れ、マミの肩に乗った。
「マミ、何とか間に合ったようだね。お手柄じゃないか」
ゴルゴ「!?」

マミ「もう、おじさまが驚いているじゃないの!」
肩にいきなり乗ってきた動物をたしなめるマミ。動物はそんなマミの顔をピンクのクリクリした瞳で眺めている。
マミ「-あっ、おじさま。紹介しますわね・・・。こちら私の友達のキュウべえ」
ゴルゴ「!(キュウべえ!?)」
キュウべえ「危ないところだったね、マミが駆けつけなければ君はやられていたよ」
口を開くキュウべえだが、ゴルゴの顔に一瞬現れた驚愕の表情に気づくと、口をつぐんでじっと彼を見つめた。
厳しい目で見返すゴルゴ
ゴルゴ「・・・」

6: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:24:03.40 ID:0qGp/vX3B
シュボッ
見滝原ビジネスホテルの一室にカポラル葉巻の紫煙が立ち込めた
ゴルゴは下着一枚の姿でベッドに座り、部屋の電灯の他、サイドテーブルのランプもつけてその明りの下依頼者である父親から受け取った日記を見返している

あの後マミとは特にやり取りをすることなく別れた。訊きたいことがないわけでもなかったが、キュウべえとのお互いの警戒から避けたのだ。
彼女は自分は中学三年とだけ名乗ったが、また接触する機会があるだろう。

失踪した少女は親元を離れてここ見滝原市の隣野中学の寮に入っていたらしい
日記の内容は初めは好きなお菓子のことなど少女らしい他愛もないものだが、途中でキュウべえに出会い、魔法少女になったなどと書いてある 。そしてそこからは魔女との戦いなど。
すでに何度も見返した内容だが、実際に先ほどの経験をすると、魔法少女や魔女というのが単なる諷喩でなく、実体験を描いたものだということがわかる

途中から日記の感情は激変し「死にたい死にたい死にたい」など悲嘆の言葉が書き連ねられ、、最後の方は「ソウルジェムが真っ黒に-」などという言葉が落し記されている。
彼女は魔女との戦いに敗れて命を落としたのか?
ソウルジェムの他グリーフシードなどという言葉もありゴルゴはいまだ理解不能だった。

ゴルゴ「・・・」

ゴルゴは天井を見上げて息をを吹き出し、煙が立ち上るのを見上げながらしばし黙想すると、やがて葉巻を灰皿に押し付け、服を着て出かける準備をした

7: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:25:01.12 ID:0qGp/vX3B
夜11時
見滝原の繁華街のバー。
ゴルゴは一人でカウンターでバーボンを飲んでいる。
郊外の街で発展しているが、都市部ほど騒がしくもないこの街らしく、バーもやや騒がしくはあるが、乱れた風はなく、至って落ち着いた風情だ。
他人の発話は周囲から飛び込んでき、耳をすませば内容も聞き取れるが、特に気にすることなく聞き流すこともできる。

ゴルゴ「・・・」
彼がコップを傾けていると、カウンターの右の方から少し騒がしい声が聞こえる
見ると、眼鏡をかけた30過ぎの女が悪酔いしたのか、バーテンに絡んでいる
女「だーかーらー、目玉焼きが半熟か固焼きかなんて気にする男とは付き合えないわけ!
 わかる?こっちから振ってやったのよ? フン、どうせ母親がいつも半熟にしてくれたとかそんなのでしょ、あのマザコン野郎」
バーテンはこういう酔客の相手は慣れているらしく、適当に相槌を打ちながら手際よくコップを磨いていっている

ゴルゴ「・・・」
ゴルゴの視線に気づいた女が興味を持ったように半笑いでスツールの上を体を滑らせてきた。

8: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:25:46.83 ID:0qGp/vX3B
女「あらー?おじさま、お一人?よかったら一緒に飲まないー?」
ゴルゴ「・・・」
黙ってコップを傾ける彼の横顔を見て拒否の姿勢を読み取らなかった女はカウンターの自席のつまみ一式とグラスを引っ張り取り、彼のグラスとつまみの隣に移しすと、自らもちょこんとゴルゴの隣の席に座った。
和子「私、早乙女和子。中学の教師をやってるのよ」

中学教師という言葉を聞いた途端ピクンとゴルゴが反応し、身を起こして彼女を見つめる
そんな彼を見つめていた和子は興味を引いたことに満足を覚えたらしく、満足そうに微笑みながら、ゴルゴの太い上腕に目をやり、続けて口を開いた。
和子「おじさまアスリートか何か?すごい体つきね。もうスーツの上からもわかるほどパッツンパッツン。ちょっと触っていい?」
ゴルゴ「・・・」
ぷよぷよと小さな手の指ででゴルゴの上腕をスーツ越しに挟み掴む和子。
和子「わっ、すごい。ほんと筋肉の塊って感じ。あのひょろひょろしたマザコン野郎とは大違い。-ねっ、聞いて。別れた彼氏ったらね・・・キャッ!」
ゴルゴは手にしていたコップを傾け中身を飲み干すと、彼女の細い上腕を取り、自らが立つと同時に彼女を無理やりに立たせた
まだ酔い切った赤い顔ながら、はっと驚きの光をその眼に宿して見上げる和子。
和子「-えっ・・・、-ちょっと・・・。-いきなり・・・・!?」
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴの視線を見上げるうちに彼女の眼は徐々にとろんとしていき、彼に引かれるままバーを共に出て行った

9: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:26:19.07 ID:0qGp/vX3B
和子「アオオーッ!アオオオーッ!こ、こんなの初めて!お願いっ!私にあの男のことを忘れさせて!
 アオオオーッ!」
ゴルゴ「・・・」
和子のマンションの一室、ベッドのスプリングが激しく軋む

30分後、二人は布団を上体半ばまでかぶったまま、和子は横向きにゴルゴに寄り添うようにし、その和子を横にしながらゴルゴは仰向けになって寝転がり、カポラル葉巻を吸っていた
和子「ああ、あなた、最高だったわ。これでようやくあの男のことを忘れられそう」
葉巻の域を大きく吐き出すゴルゴ。
ゴルゴ「・・・
 先ほど中学の教師だと言ったが…」
和子「え?ああそうよ。ほんと毎日夕方から夜に残って問題作りや書類仕事やばっかり。居残りなんて言葉今は生徒じゃなく 私たちのためにある言葉よ
 でもやりがいはある仕事ね。生徒たちが慕ってくれたらうれしいし、みんなの成長を見れるんですもん」
ゴルゴは黙って天井を見上げたまま聞いていたが、
ゴルゴ「・・・
 ここに来る途中、この街で中学生の失踪騒ぎがあったという噂を聞いたが…」
和子「あ・・・あれね・・・でもあれは隣野中学のことで私の勤務する見滝原中学ではないわ。でもやっぱり騒ぎになって、こちらでも親御さんたちが心配したわね
 この街では時々中学生女の子がいなくなるの・・・犯罪の痕跡もないしいったいどうなっているのかしら・・・」
ゴルゴ「・・・」
和子が突然がばと飛びついた
和子「ねっ、それより抱いて!私を朝まで寝かせないで!」 

10: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:26:45.39 ID:0qGp/vX3B
朝7時
スーツ姿の和子が玄関で立って片足を上げて靴を履きながら言う。
和子「-それじゃ私は仕事に行くけどゆっくりしていってね。-あとこれが合鍵。ここに置いていくわね。あなたの滞在予定は知らないけどいつでも来てくれていいのよ」
ベッドに、下着だけの姿に上掛けを掛けたままの状態で横たわり、葉巻を吸っているゴルゴは
ゴルゴ「約束はできないが・・・気が向いたら来よう・・・」

バタンッ
支度を終え、出かけて行った和子を確認すると、ゴルゴは下着姿のまま起き上がり、机や書類のラックを調べ始めた
ゴルゴ「(・・・!)」
彼が見つけたのは一冊の卒業アルバムだが、そこに移っている少女たちの姿にゴルゴは視線を定めた
昨日マミという金髪の魔法少女が変身を解いた時着ていたのと同じ制服だ。和子はマミの中学に勤務しているのか。

シュボッ
火を点けたカポラル葉巻を口にくわえながらゴルゴは黙々と資 料を調べてる作業に没頭した

11: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:27:33.83 ID:0qGp/vX3B
昼の3時
ゴルゴが道を歩いていると制服の男女が下校してくるのと多くすれ違った。
女子は昨夜マミが着ていたのと、また彼が朝に和子のマンションでチェックしたのと同じ制服で、すでに彼の頭に入っている見滝原市の地理からも、見滝原中学の方向から下校している生徒たちなのは間違いないだろう

ゴルゴのすぐ脇を三人の少女たちがすれ違った。
「ねー、まどか。今日先生目に隈が出来ていたけどすっごく機嫌よくなかった!?それに肌つや良かったし。あれ絶対新しい彼氏が出来たんだよ」
まどか「えー、そうなのかなー。-てか、さやかちゃんほんとそういうの目ざといよね・・・ウェヒヒ・・・」
「それが本当かどうかわかりませんが、もしそうなら先生のために良いですわ。今度は長続きすればいいのですけれど・・・」
さやか「まーどうせまた長く持っ て3か月とかでしょ。今度はご飯の炊き方がどうとかで喧嘩したりして」
まどか「さすがにそれはないと思うけど・・・ウェヒヒ」
「クスクス・・・あら・・・?」

12: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:28:29.02 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「・・・」

灰緑色の髪の女の子が彼女たちに軽く視線を乗せているゴルゴのもとに駆け寄る
「-あの、よそから来たお方ですか?何かお探しのようですが-、お困りならご案内しましょうか?」
さやか「仁美っ?」
ゴルゴ「・・・
 いや・・・その必要はない・・・」
ゆっくり立ち去ろうとするゴルゴに対し、少女は気がかりげに軽くまゆをひそめ、
仁美「そうですか・・・もしお手伝いできることがあれば何かおっしゃってくださいね」

ゆっくり歩くゴルゴから遠ざかって去ってゆく三人
顔を突きつけ合わせて近い距離で閉じた空間を作り、ひそひそ話し合っている。
さやか(「-いきなり知らない人に話しかけるなんて勇気あるねー・・・-」
仁美(「ええ・・・でも何か気になって・・・」)
まどか(「あはは・・・確かにちょっと変わった人だけど・・・」)

ちらちらとゴルゴの方を見ながら小声で会話する三人だが、少女達の嬌声は甲高く、遠くまで響いてくる。
さやか(「まさか仁美、ああいうのが好みなの・・・!?」)
まどか(「ええっ!?仁美ちゃん!?」)
仁美(「えっ・・・いえっ・・・あの、その・・・確かにご立派な体格で素敵だとは思いますけど…」)
焦ったような少女に対し、突然一人の少女の声が高く上がり、
さやか「-ははーん、一目惚れってやつだな。-しかしこれでまどかは私一人のものだーっ!」
まどか「きゃっ!ちょっ・・・さやかちゃん・・・・!」
はしゃいで小走りに立ち去ってゆく三人。

ゴルゴ 「・・・」
ゴルゴは街外れに向かって歩みを進めていった。

13: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:29:23.42 ID:0qGp/vX3B
街外れ、国道から脇にそれた見滝原市への入り口の一つ
昨夜ゴルゴが使い魔たちに襲われた場所だ。

ゴルゴ「・・・」
ゴルゴは昨夜の盛り上がったカビらしきものがへばりついていたあたりを黙視し、手で撫でてみるが、何の痕跡もない。
昨夜マミに救われた後街灯の弱い灯りの下確認した通りだが、昼間のはっきりした光の下で見ても特に手がかりらしきものはなかった

ゴルゴ「・・・」
「何物かしら?」

14: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:30:00.93 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴが半分腰を下ろした状態から素早く身を起こし、翻すと、見滝原中学の制服を着た長い黒髪の少女が立っていた。頭には濃紺色のヘアバンドをしており、その眼は年頃の少女に似合わず、感情を感じさせることなく、冷たい。

彼女はつかつかと寄ると、彼を見上げて言った。
「あなたよそ者ね?まとっている空気が違うわ。こんな場所で何を しているの?」
ゴルゴ「・・・
 私は建築業のものだ。この廃屋の地質と傾き具合、セメント面の劣化が気になるので少し調べてみたまでだ・・・」
「ふうん・・・」
なおも品定めするように冷たい目でじろじろとゴルゴを眺めまわす少女は成人男性の中でもずば抜けて体格のいい彼を見上げ、視線を受けながら物怖じ一つしない。

15: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:30:50.30 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴが立ち去ろうとすると少女は厳しい声を彼の背にかけた。
「待ちなさい」

「あなたそのスーツの下-ホルスターに銃をかけているわね-?-それにその左足-、重心の掛け具合が不自然だわ。
 サバイバルナイフでも忍ばせているってとこかしら」
ゴルゴ「!」
ゴルゴは立ち止まり、振り向いて彼女を鋭い眼で見据えるが、彼女は真っ直ぐその視線を受け止める。

16: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:31:17.43 ID:0qGp/vX3B
「・・・」

その場を厳しい沈黙が支配したが、やがて少女が諦めたように口を開いた。
彼女は溜め息をついて
「あなたが何の目的でこの街の、こんな場所にいたかはいいわ。
 -ただ-」
彼女の冷たい目がゴルゴを睨みつけて厳しく光る。
「-この街にいてもろくなことはないと思うわよ。-よそから来たのなら早々に立ち去るのが身のためね」
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴは背を向けて、来るとき使った道を街の中心部に向けて歩き出した。

優れた姿勢と身のこなし、彼と彼の視線を前にして一歩も物怖じしない態度、彼の武器の携帯を見破った洞察力。そして何より厳しく冷たい眼
ゴルゴ「(あれも魔法少女か・・・)」

--------------------------------------------------
「-昨夜ここに使い魔がいたらしいから改めて調べに来たけど-・・・。-あれは何者かしら・・・」

17: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:32:37.16 ID:0qGp/vX3B
「(まどか・・・助けてまどか・・・!)」
まどか「誰?誰なの!?」

ショッピングモールの改装中の立ち入り禁止フロアに入るまどか。非常灯だけが照らし出す薄暗い空間の中に耳の長い白く、細長い生物が傷だらけで横たわっている。
まどか「ひどい・・・」

「そいつから離れなさい」
まどか「あなたは・・・。ひどいよ。どうしてこんなことするの!?」
「あなたには関係のないことよ」
現れた黒髪の少女がまどかと白い小動物に近づく。

18: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:34:44.54 ID:0qGp/vX3B
プシューッ
「!?」
さやか「まどか!こっちこっち!」
黒髪少女に吹きかけた消火器を放り出し、小動物を抱きかかえたまどかとさやかは走り出す。

さやか「今度は サイコな電波女かよ!
 ところでそれなに?ぬいぐるみじゃないよね?生き物?」
まどか「う・・・うん・・・私もよくわからないんだけど…」
プシュッ
ビスッ

まどか、さやか「?」

さやか「何・・・?今の変な音」
まどか「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!」
さやか「うわっ!」
まどかが抱いていた小動物の小さい額に風穴が空いていた

19: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:35:22.16 ID:0qGp/vX3B
まどか「どうしよう!きっと死んじゃった!」
さやか「うわ・・・あまり血は出てないけど・・・これは死んだかも。とにかく急いでここから出てお医者さんに見せよう!」
まどか「うん!」

---------------------------------------------------
プシュッ

「!
 (今のは・・・サイレンサーを使った銃の音・・・?)」
タッ
「(足音…あの去っていく人影は・・・!)」

黒髪少女の周りの景色がぐにゃりとゆがむ
「くっ・・・こんな時に・・・」

20: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:35:59.95 ID:0qGp/vX3B
マミ「あなたたち危ないところだったわね。私は巴マミ。あなたたちと同じ身滝原中学の3年生よ
 !!!」

使い魔たちを追い払ったマミはまどかが抱きかかえている小動物の異変に気づき、駆け寄る。
マミ「これは・・・!ひどい・・・!」

そこに黒髪の少女が現れる。
マミ「!!!
 キュウべえをこんなにしたのは…あなたなの…!?この頭の傷…もう死んだかもしれないわよ」
???「その傷はあたしのじゃ…-」
マミ「いいからさっさと立ち去りなさい。こんなにまでして・・・これ以上あなたを見ていたらあなたを許す自信がないわ」
???「・・・」

22: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:36:34.42 ID:0qGp/vX3B
立ち去る黒髪の少女。

まどか「あの・・・この子…知ってるんですか…?」
マミ「ええ 、私の友達よ。ちょっと待ってね、もう無理かもしれないけど何とか治療してみるわ」

パアァァァァッ!
マミが手にした宝石のようなものから出る光で小動物の体の痛みがぐんぐん治癒していき、額の傷も塞がっていく
さやか「うわっ・・・!」
まどか「すごい・・・!」

キュウべえ「ふう、助かったよマミ。今回は危ないところだった」
マミ「なんとかなったようね。よかったわ」

23: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:37:39.72 ID:0qGp/vX3B
モール内の喫煙コーナーで葉巻を吸っているゴルゴに黒髪の少女が近づいた。

「つけられていたとはね…しかもあなたの目的がキュウべえだったとは…」
ゴルゴ「・・・」
黙って見返すゴルゴに対し言葉を畳みかける少女。
「あなたはどこかの政府の特殊工作員?それともヒットマンというところかしら」
ゴルゴ「・・・
 答える必要はない・・・どちらにせよもう俺には関わりのないことだ・・・」
灰皿に葉巻を押し付け、火を消して立ち去ろうとするゴルゴを少女が呼び止めた。
「待ちなさい。これであいつを殺ったと思わないことね」
ゴルゴ「・・・」

振り向いたゴルゴの視線を真っ直ぐ受け止める少女。
今度は先に口を開いたのはゴルゴだった
ゴルゴ「俺は・・・確かに眉間を撃ち抜いたはずだ・・・」

24: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:38:19.13 ID:0qGp/vX3B
少女が初めて軽く微笑む
「認めたわね。でも無駄よ。あいつはあんな程度じゃ殺せない。私も何度も試したもの」
ゴルゴ「・・・」
「おそらくあなたの射撃の腕は相当なものでしょうけど、あいつは一発の銃弾で到底殺せる相手じゃないわ。たとえ全身蜂の巣にしようと無駄だもの」
ゴルゴ「・・・
 やつは・・・普通の生物ではないのか・・・?」
「そうよ。しかし、あなたの意図がどういうものか知らないけど、どうやらあたしの障害になる存在ではなさそうね。私は暁美ほむら。あなたの名前もいいかしら?」
名乗った少女に対し、
ゴルゴ「・・・デューク・東郷だ・・・」
ほむら「そう、東郷。あなたの目的がキュウべえを殺すだけかは知らないけどまた会うかもしれないわね。その時はよろしくね」
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴはゆっくりとその場を立ち去っていった

25: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:39:06.73 ID:0qGp/vX3B
夜9時
見滝原市の外れ、大きな和風屋敷の前に見滝原中学の制服を着た灰緑色の髪の少女が佇んでいる。
仁美「-はあ・・・。お父様遅いですわね。-遅れるとは連絡があったものの、こうやってずっと立って待つのはなかなかに辛いですわ。お茶の先生に作法のお稽古の後に遅くまでご厄介になるのも迷惑でしょうし」

両手で体の前に鞄を提げ持っている仁美の下に、突如街燈が照らし出さない光の陰の部分から3人の男たちがぬぅっと寄ってきた。
「ねーねー、君、可愛いねー。-一人?」
「その制服中学生?中学生の可愛い女の子が夜一人でいたら危ないよー。家どこ?お兄さんたちが送ってあげようか?」
「ヒヒヒ・・・」

びくんと固まる仁美。目を合わせないようにと直立のまま前を向き続けた彼女だが、男たちはそんな彼女の周りにまとわりつき、首を傾けて彼女の正面の視線に目を置こうとする

26: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:39:53.29 ID:0qGp/vX3B
「へい、どうしたのー?つれないじゃーん」
「いいからお兄さんたちといいことしようよー」
「ヘヘヘ・・・やめときなよこの子怖がってるじゃーん」
「おいおい、俺は怖がらせてるつもりはないぜ?お前らやめろよー」
男たちの間で卑猥な笑い声が上がる

「いいからさっさと来いっつってんだよ!あ?」
男の一人が仁美の細い手首をつかみ引っ張る
仁美「やっ・・・!」
このあたりは敷地の広い住宅が並んでおり、彼らの声は周囲の住宅内部の住民まで届くことはない。
仁美が先ほどまで習っており、門の外で待っていた屋敷にしても塀の内部の敷地から母屋までは相当の距離がある

仁美「やめてくださいっ・・・!」
「あーん?
 ん???」

27: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:40:30.60 ID:0qGp/vX3B
男たちの一人が視線をふと道の先にやると、街灯の明りの下一人の大男が立っていた。
角刈りの頭に、濃い眉毛に鋭い目つきの厳しい顔立ちをしており、肩幅の広いスーツの内部からの盛り上がりが、内部に充実している太い筋肉を示唆している。

「何見てんだよおっさん」
手首をつかんでいた男が下に放り投げるようにして手首を放し、角刈りの男に近づいてゆく。
手首を振り下ろされる形になった仁美は依然男二人に囲まれてガクガク震えながらも角刈りの男の方に目をやって
仁美「(あっ・・・あの方は・・・!)」

ゴルゴ「・・・」
「何とかいえや、おっさん。あ~ん?」
冷たい目でじっと自分を見下ろす相手に対し拳を振り上げた男だが、角刈りの男は向かってくる拳を体ごと外側に避けると、片方の手刀を男の延髄部に打ち付けた
ビシーッ

28: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:41:29.22 ID:0qGp/vX3B
その一撃で意識を飛ばされた男がくず折れると、残りの二人が、一人は手にジャックナイフを持ってかかるが、
バシッ ゴキッ
一人は顎にストレートを食らって初めの男と同じように意識を飛ばされ、ナイフでかかった男は肩関節を逆に極められて嫌な音とともに地面に倒れ伏した。
肩を外された男の低いうめき声があたりに響く

仁美「-ありがとうございます。助かりました。-えっと・・・前見滝原中学のそばでお会いした方ですわね?」
ゴルゴ「・・・」
男はスーツの右ポケットに手を軽く突っ込んだまま黙って感謝の言葉を述べる仁美を見下ろしている

29: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:42:03.64 ID:0qGp/vX3B
ブォーッ
やがて、車のエンジン音とともに双眸のヘッドライトが辺りを照らし、近づいてきた
仁美「-あっ、お父様の車ですわ」

ゴルゴ「・・・」
立ち去ろうとする男に仁美が呼びかけた
仁美「あの・・・お父様とお礼をしたいのですけど・・・」
ゴルゴ「・・・結構だ・・・」
立ち止まるそぶりも見せずに去ってゆく男の背に向かって仁美はなおも呼びかける
仁美「あの・・・お名前だけでも・・・」
ゴルゴ「・・・デューク・東郷・・・」
男は背を向けたまま低い声で答えると、そのまま夜の闇の中に消えていった。

ズザーッ
ライトで辺りを照らしまわしながらそばに停車した車の横で、仁美は立ち去った男の消えた辺りをじっと見つめていた
仁美「東郷様・・・」

30: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:42:48.46 ID:0qGp/vX3B
土曜の夜8時
マンションの自室で和子がデスクに向かって開けたノートPCで作業をしていると、
ピンポーン
来客を告げるチャイムの音が鳴った

和子「(こんな夜に誰かしら?)」
椅子から立ち上がり、自動ロックで閉じられているマンションエントランスの扉上に設置された監視カメラの画像を眺めると、
和子「!」
彼女は大急ぎでロックを解除した
同時にだらしなくなっている室内着の身だしなみを大急ぎで整え、髪の乱れも両手で軽く叩いてセットする

ピンポーン
今度はマンションの各室扉横に備え付けられたインターホンの音が鳴ると、和子は大急ぎでドアに飛びつき、ドアのロックを外して扉を開けた
和子「来てくれたのね…もう会えないかと 思っていたわ」
かすかに息が弾み、かすれる声でしゃべる和子が上気した顔で見上げた先には、部屋前の廊下に立ったゴルゴがいた。

31: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:43:29.83 ID:0qGp/vX3B
和子「あああああ~っ!もっと!もっと!あなたは最高の男よ!あなた以上に満たしてくれる男を知らない!
 東郷!東郷ぅ~!
 あああああ~っ!」
ゴルゴ「・・・」

32: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:44:31.83 ID:0qGp/vX3B
1時間後、二人はベッドに共に横たわっていた。和子はゴルゴに寄り添う形で、ゴルゴは仰向けになってカポラル葉巻を吸っている。
和子「また会えてこういう風にできるなんて嬉しい。でも前合鍵を渡したでしょ。それを使って勝手に入ってくればよかったのに」
ゴルゴ「突然押しかけては迷惑かと思ってな…」
和子「もうっ!あなたのそういうところがますます素敵よ。今までの身勝手な男たちとは大違いだわ」

ゴルゴはちらりと開いたままのノートPCが置いてあるデスクの上に目を やる
ゴルゴ「仕事があったんじゃないのか…」
和子「ええ、前も言った通り教職員は仕事が多くてね。でも明日は日曜だから大丈夫よ。できるだけ早く済ませようと思ってたけどあなたに会えるならどうでもいいわ」
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴがむくりと起き上がる
和子「どうしたの?」
ゴルゴ「いや・・・飲み物でも入れようかと思ってな…茶とコーヒーどっちがいい…?」
和子「そんなこと私が・・・」
起き上がろうとする和子を制止して
ゴルゴ「いや・・・俺がやろう…」
和子「もう、やっぱりあなた最高だわ!」

33: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:45:15.47 ID:0qGp/vX3B
15分後
ベッドの上で熟睡する和子の寝息を聞きながら、ゴルゴはデスクの和子が先ほどまで使っていたノートPCを操作していた。
ベッドのサイドテーブルには和子が飲みかけた睡眠薬入りの紅茶が置いてある。
カタカタカタ・・・
ノートPCをいじるゴルゴ
ゴルゴ「(やはり・・・土曜は仕事を家で済ますためにメモリを持ち帰っていたか・・・)」

カタッ
ゴルゴ「!」
ゴルゴが開いたファイルには転校して和子のクラスに編入された暁美ほむらの前の学校時の写真画像が保存してあり、そこに添付されたほむらの肖像写真は顔立ちにしまりがなく、内気で臆病そうな表情をした、眼鏡に三つ編みの少女の顔だった
たしかに骨格などは同じようだが、別人のよう な違いだ。

34: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:45:59.08 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴが見ると、転入する前は半年間入院していたという。これは魔法少女になったことによる変化なのか?だとすると彼女は入院中に魔法少女になったのか?

しばらく暁美ほむらや和子の担当クラスの生徒情報を調べた後、ゴルゴは自らが持ってきた鞄から自分のノートPCを開き、電源を付けて打ち込み始めた

ゴルゴ「!」
携帯電話を取り出すゴルゴ
「へい、どなたさんで?」
ゴルゴ「ジム・・・今関東方面にいるようだな・・・いくつか調べてもらいたいことがある・・・」

35: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:47:20.20 ID:0qGp/vX3B
数日後、ゴルゴとジムは見滝原の繁華街の通りに面したカフェの野外席で向かい合って座っていた

ジム「へい、その女のことは調べやしたが、病弱がちで、やはり前の学校では内気であまり友達もいなかったそうです。-それから心臓の病気で半年間入院・・・。
 -しかし奇妙なことに退院間際になってから急に顔立ちが変わり、いつもつけていた眼鏡も外すようになったとのことです」
ゴルゴ「・・・その間、医師や看護師は彼女の周囲の異変に気付かなかったのか?」
ジム「へい。ほんとにそれが何の兆候もなかったそうで。詳しいことはこのレポに書いてありますが。と一緒に頼まれていた隣野中学の女生徒のことはこっちで」
ゴルゴ「・・・」

「マミさん!こっち こっち!」
ゴルゴ「!」

36: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:48:48.55 ID:0qGp/vX3B
レポートに目を通していたゴルゴが声に反応し通りの向かいに目をやると
見滝原中学の制服を着たピンク髪の少女が、以前彼を救い出したマミという金髪の少女の手を引いて走っている。
ゴルゴ「(ピンク髪のほうは・・・以前見滝原中学校のそばでまどかと呼ばれていた女か・・・)」
マミ「鹿目さん、危ないことをしてはだめよ!でもよかったわ、病院で魔女が発生したら大変なことですもの」
まどか「とにかく急ぎましょう!」

ゴルゴ「・・・」
ジム「旦那?どうしやした?」
通りの反対側に目をやっているゴルゴにジムが話しかける
立ち上がるゴルゴ
ゴルゴ「急用ができた・・・レポートは受け取っておこう。これが今回の報酬だ」
折り曲げた札束を 手渡すゴルゴ
ジム「へへ!旦那は気前がいいから好きですや!またいつでも頼みますよ!」
金を受け取ったジムは腰を屈めて何度も会釈しながら立ち去って行った
通りの向かい側の二人が走り去って行った方向に視線を走らせるゴルゴ
ゴルゴ「・・・」

37: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:50:33.80 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴが二人の後を追ってたどり着いた病院の脇を調べて歩いていると、人気のない駐輪場に何度か見かけた
見滝原中学校の生徒が使っているスクールバッグが2つ置き去りにされていた。
ゴルゴ「・・・」
周囲の壁面を注意深く調べると、以前見滝原市に入った時見つけたのと同じような、カビに似た灰色の盛り上がった物質を見つける
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴがカビらしきものに手を近づけると、以前見滝原市内に入った夜と同じように景色が歪みだし、暗転し、薄暗くも極彩色の世界に放り込まれた。

ゴルゴ「(・・・!)」
反射的に懐の拳銃に手をやるゴルゴだが、取り出した拳銃を眺めやると、
ゴルゴ「・・・」
黙って懐にしまい直した

ゆっくりと進んでゆくゴルゴ。マミ達が先に進んだはずだが、今歩んでいる回廊状の道は人気がなく、使い魔という魔物の気配もない。
ゴル ゴ「・・・」

38: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:53:06.05 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「!」
ゴルゴが歩みを進めていくと、目の前に回廊の地面と壁面、上部アーチのあちこちから繰り出された
赤地に黄色い鎖紋様の巨大なリボンにがんじがらめにされたほむらが宙吊りにされていた。

観念したかのようにぐったりと力なく縛り吊るされ、目を閉じていたほむらだが、
気配に気づいて目を開け、顔を向けると、彼女の目に、警戒しながらじっとこちらを観察して立っているゴルゴの姿が映った。
ほむら「-あっ・・・!-あなたは!?-」
ゴルゴ「状況を・・・説明してもらおうか・・・」
驚きの表情を見せて叫ぶほむらに対し、ゆっくりと口を開くゴルゴ。

39: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:55:42.03 ID:0qGp/vX3B
初めは驚きで頭の回らない表情のほむらだったが、
しばらくぼんやりとゴルゴの姿を眺めているうち、急にはっとしたように、頭と全身をじたばたもがかせ、焦ったように
ほむら「-この拘束を解いて・・・!早くしないとマミが・・・!-マミというのは私と同じ魔法少女で・・・!-」
ゴルゴ「マミがこの先にいるんだな・・・?」
ほむらは驚いた表情を見せた。
ほむら「-マミを知っているの・・・!?-いや、それより早くこの拘束を・・・っ!」

40: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:57:14.12 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「・・・」

ゆっくり近づき、しゃがんでズボンの裾をめくり、左足に装着したナイフポーチからサバイバルナイフを取り出すゴルゴ。
彼がほむらを拘束した黄色いリボンに刃をかけようとすると、
ほむら「-待って・・・!-それでは断ち切ることはできないわ・・・。-私の手にナイフを近づけて・・・!」
ゴルゴ「・・・」
急に動きを止めたゴルゴを、ほむらは何が起こったか理解できないように数瞬見つめていたが、やがて得心したように説明を始めた。
ほむら「-私たち魔法少女の作り出した魔力物質や、ここにいる魔女といった存在に対しては普通の道具では役に立たないの。
私たち魔法少女が魔力を与えないと。-警戒する気持ちはわかるわ。でも私はこんな状態だし、何もできない。時間がないから早くっ・・・!-」

41: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:58:33.37 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴはゆっくりと後ろ手に拘束されたほむらの手にサバイバルナイフを近づける
ほむら「刃の方を私の手にっ・・・!」
指示通りにすると、
パアァァァァッ
ゴルゴの手に持つサバイバルナイフが光を帯び始めた。

ブツッブツッ

縛りを解かれ、ゴルゴに抱え降ろされたほむらは体のしびれを取るかのように軽く腕と体をほぐし動かしていたが、ゴルゴを見上げると
ほむら「礼を言うわ。今回は危ないところよ」
ゴルゴ「これをやったのは・・・魔女なのか・・・?」
ほむら「いいえ、マミよ」
ゴルゴ「・・・」
ほむら「今はそれより先に進んでマミを救い出さなければ」

42: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 00:59:41.36 ID:0qGp/vX3B
パアァァァァァァッ!
ほむらの姿が光を帯び、ところどころ角の形を持つ魔法少女の衣装に変身した

ほむら「-あなた銃を持っているわね・・・?-あなたもマミに用がありそうだけど、この先、魔力を持たないままの武器では通用しないわ。
 私に貸しなさい。先ほどと同じように魔力を与えてあげるわ。もっと も、私たち魔法少女が使うほどには効力を発揮できないけどね」
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴは今度は特にためらう風を見せずにほむらに銃を預けた。

パアァァァァッ
銃が光を帯びてゆく

43: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 01:01:28.00 ID:0qGp/vX3B
銃をゴルゴに返したほむらは今度は左腕に装着した小さな菱形の盾から銃を取り出す。
ほむら「私の武器もこれよ」
以前厳しい顔立ちのままだが、一瞬柔らいだ表情を見せてゴルゴの方を見上げ、言う。
盾の方をじっと見つめるゴルゴの視線に気づき、
ほむら「この盾は収納庫にもなっているの。これも魔法少女の能力の一つね。他にも武器はいくらでもあるわ」
手榴弾を取り出すほむら。
ほむら「-あなたもいくつか持っておきなさい。恐らく私たち魔法少女が与えた魔力が、使っている内に切れるときがあるわ。
 その時いくつか持っている方がいいでしょう。それに、常時私の魔力を浴びているから、先ほど即席で与えた魔力より強力で、効果も長持ちするはずよ」
ほむらがいくつかの拳銃と手榴弾をゴルゴに手渡すと、ゴルゴは受け取って懐にしまった後、
ゴルゴ「ライフルは・・・ないのか・・・?」
ほむら「-!」

44: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 01:02:26.51 ID:0qGp/vX3B
ほむら「-さすが本職の人らしいわね。-もちろんあるわよ。-私にはあまり使いこなせないのだけれど-」
盾からするすると銃床の短いライフルを取り出した。
ゴルゴ「ブルパップ銃か・・・」
与えられたライフルを様々に構えて眺めながら呟いたゴルゴに対し、ピクンと眉を動かして、斜めに流し見るほむら。
ほむら「-あまりお気に召さないかしら?」
ゴルゴ「いや・・・、充分だ・・・。行こう・・・」
ほむら「ええ、急ぎましょう」

45: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 01:03:22.24 ID:0qGp/vX3B
回廊を走って奥に進むゴルゴとほむら。
ほむらは走りながらあちこちを見回し、
ほむら「(-時間がたっているせいか、大分結界が完成されてきているようね・・・。この分じゃ使い魔の数も・・・。-間に合えばいいのだけれど・・・-)」

二人が開けた場所に出ると、柱や起伏の陰からクッキーやキャンディーに手足が生えたような奇妙な姿の使い魔達が前方と左右からぞろぞろと出てきた
ゴルゴ「!」
ほむら「!(来たっ!)」

46: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 01:04:37.81 ID:0qGp/vX3B
ズキューンガウーンダダダダッガウーンターンズキューン ピンッ ・・・ ズガガガーン
ゴルゴは銃と手榴弾で次々敵を掃討していく。
ほむら「(何て人…拳銃とライフルの二丁を凄い速さで射撃しながらほぼ全ての弾を命中させている・・・
 しかも手榴弾まで同時に扱うなんて・・・。-しかし、やはり私たち魔法少女が扱うほどには使い魔たちにダメージを与えられないようだわ・・・。
 起き上がって再び向かってくるのも多い・・・)」
ゴルゴ「(・・・)」

ゴルゴが撃ち倒したうちのいくらかは再び起き直り、動きを鈍らせながらも二人に迫ってくる。その間を疾走して駆け抜ける二人。

47: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 01:05:31.94 ID:0qGp/vX3B
狭い廊下を抜けると二人の前に別の大きな広間の一室が開け、先ほどと同じように使い魔たちが現れた。
ほむら「(新手っ・・・!)」
ゴルゴ「(・・・!)」

ガウーンダダダダッズキューンガーンターン
ゴルゴが撃った使い魔たちが一撃で倒されていく
ほむら「!?(-・・・なっ・・・その銃の魔力でどうして・・・?)」
ほむらの視線に気づいたゴルゴが口を開く。
ゴルゴ「-・・・どうやら奴らにも頭部や心臓に相当する部分に急所があるようだ・・・-・・・そこを狙えば、一撃で仕留めることもできる・・・」
ほむら「-・・・!(-・・・先ほどの少しの折衝で私も気づかないような使い魔の弱点を見破ったの・・・!?
 そしてあんな小さい対象にそれを実践して命中させることのできる能力・・・!)」

48: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 01:06:51.19 ID:0qGp/vX3B
ガウーンガガウーンターンズキューン
ビスッビスtゥヒュンッヒュンッ
薙ぎ倒されていた使い魔達だが、突然銃弾が使い魔たちに衝撃を与えることなく、すうっと彼らの体に吸収されてゆくようになった。
ゴルゴ「!
 (・・・!)」
ゴルゴは一瞬手に持つ拳銃を見ると咄嗟に投げ捨て、ほむらから受け取った別の拳銃を懐から取り出して再び撃ち始めた。
並んで走りながらその様を見るほむら。
ほむら「(-・・・どうやら、私が即席で与えた拳銃への魔力が切れたようね・・・。それに即座に気づいて銃を持ち替えた・・・凄い判断力だわ・・・)」

ターンダーンガキューン ・・・ズダダダーン

二人がそこを抜け、さらに廊下を駆け抜けると今までで最も広い広間に出、そこにはまどかとさやか、そして今にも魔女の口に飲まれようとするマミがいた

ほむら「-!(-マミッ・・・!)」
ゴルゴ「(-・・・!)」

49: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 01:09:13.72 ID:0qGp/vX3B
ターンダーンガウーン
部屋に駆け入りながら発射されたゴルゴの射撃が、巨大な人魂のような形をした魔女の顔面に当たると、
マミを噛み砕こうとしていた魔女は受けた衝撃に目を閉じ顔をしかめて、痛みと驚きから怯んで後退した。
今にも飲みこまれようとしていたマミは呆然として立ちすくんでいる

ギロッ
食事の邪魔をされた魔女は銃をこちらに向けているゴルゴの姿に気づくと、一散に彼に向かって飛びかかって行った。
ダダダダダッ
ゴルゴは右手に持った拳銃を投げ捨てるとアサルトライフルを両手に持ち替え、その連射を魔女の巨大な顔に向ける。

50: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 01:10:19.09 ID:0qGp/vX3B
咄嗟のことに固まっていたまどかとさやかが思考を取り戻す
さやか「-えっ・・・あのおじさん誰・・・?-それに転校生・・・?」
事態の成り行きを理解できないながらも暗い顔で不安そうに、魔女に立ち向かうゴルゴを眺めるまどか
まどか「・・・⁉」
少し遅れてマミが思考と判断力を取り戻した。はっとしてゴルゴに向かった魔女の方を振り返る

56: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:41:41.58 ID:0qGp/vX3B
ダダダダダダダダッ
アサルトライフルで魔女をひるませながらゴルゴは横に体を移動させて魔女との距離を取るゴルゴに対し、。攻撃に怯み、進行速度を落としながらも魔女はゴルゴに執拗に迫っていく。
ほむらも拳銃で魔女を射撃しており、そのダメージもあるはずだが、魔女の狙いはあくまでゴルゴのようだ

ダダダダダダダダッ
体を捌きながら魔女の進行をかわすゴルゴ

-ヒュンヒュンッ
突如として、それまで衝撃とダメージを与えていたライフルの弾が魔女の体に何事もないかのように吸い込まれてゆく。
ゴルゴの額に汗が浮かんだ。
ゴルゴ「-!(-魔力切れっ・・・!)」

それまで受けていた痛みと衝撃がいきなり失われ、何の障害もなくなった魔女はいきなり速度を上げ、真っ直ぐゴルゴに飛びつく

まどか「-きゃあっ!」
さやか「-おじさん!」
マミ「-!」

ゴルゴ「(-・・・!)」
ライフルを捨て、横に飛びのけようとするゴルゴ。

57: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:42:14.49 ID:0qGp/vX3B
カチッ
突然、ピンクを基調とした結界内の派手派手しい光景が灰色になり、今にも噛みつかんとする魔女の動きがゴルゴの目の前で宙に止まった。
恐怖の表情を見せているまどか、体をねじりながらこちらに必死の目を向けているさやか、
複数のマスケット銃を宙に浮かせて駆けようとしているマミの3人も皆その姿のまま静止している

58: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:42:47.18 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「(-・・・!?)」
気づくと、ゴルゴの鍛えられた太い腕をほむらの女子中学生らしい華奢な手が引いている。
ほむら「-これが私の魔法少女の能力。時間停止能力よ。私と私が触れているものだけが動くことができるの」
ゴルゴ「・・・!」
目を見開き、驚きの表情でほむらを見やったゴルゴだが、ちらとさやかの方に目を向けた。
彼女の腕には以前ゴルゴが額を打ち抜いたキュウべえが愛らしい顔をこちらに向けて静止したまま抱きかかえられている。
その視線に気づいたほむら
ほむら「-当てが外れて残念だったわね。あの通り奴はぴんぴんしているわ。
-しかし今はこいつが大事よ」
くいと首で今しがた避けてきた場所を示す。そこでは魔女が大きな口を開け、ギラギラの鋭利な薄い刃物のような歯をむき出しにしている。
あれに噛み砕かれたら問題なく胴体は真っ二つだろう
ゴルゴ「(-・・・!)」
ほむら「そろそろよ。時間が切れるわ」

59: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:44:03.35 ID:0qGp/vX3B
ガキッ
目を閉じて勢いよく歯をとじ合わせた魔女だが、その刃は空中を噛むことになった
魔女「???」
訝しげな、不機嫌そうな顔をして辺りを見回す魔女。
と、遠く側方に離れたゴルゴとほむらの姿を認めて再び襲おうと飛びかかり始めた。

60: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:45:32.19 ID:0qGp/vX3B
ダーンダーン
その魔女に対して後ろから鳴り響く銃声。
マミ「待ちなさいっ!私が相手よっ!」
マミが眉を吊り上げ、厳しい顔で後ろから魔女に向けて駆け出す足を向けていた。
すでに遠く離れたゴルゴとほむらの二人組とマミのどちらを追おうか迷っている風の魔女だったが、
気分を削いだマミの方を振り向くと、再び彼女を口中に収めようと飛びかかって行った

マミ「今度は油断しないわ」
ダーンド-ンダーン
マスケット銃の連射で大きくひるむ魔女の周囲の地面から長い黄色いリボンが何本も出てきた。
やがてリボンは魔女の体に触れると、それを捉えんとシュルシュルと伸びゆき、絡みつく。魔女は空中にがんじがらめに縛られた。

61: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:46:18.93 ID:0qGp/vX3B
満足そうに微笑むマミの前方上方に一際太い黄色のリボンが多数現れて、包帯を巻くかのように筒状を形作ってゆく。
-と、それは今までマミが使用していたマスケット銃の巨大な姿と化した。
空中に静止する巨大なマスケット砲を体全体で抱きかかえるように構えるマミ。
ニッとウィンクすると、
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ズドンと巨大マスケット砲が発射された。

62: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:47:09.30 ID:0qGp/vX3B
ドーン
巨大砲の直撃を受けた魔女が雲散霧消すると、周囲の風景が溶け落ちるように薄れてゆき、
ピンク色の派手な景色はまた元の病院横の人気のない駐輪場に戻っていた。
いつの間にか夕闇が近づいており、薄暗くなっている。

63: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:48:06.16 ID:0qGp/vX3B
じっと立ち尽くす5人
最初に歩みを進め、口を開いたのはマミだった
マミは軽く首を傾げ、ほほえみながら
マミ「おじさま、またお会いしましたわね。-それもこんな形で命を助けられるとは思ってもみませんでした。
 お礼を申し上げます。ありがとうございます」
両手を前に揃え、ぺこりとお辞儀するマミを見ていたゴルゴだが、
ゴルゴ「-・・・俺は・・・借りは返す主義だ・・・」
低く口を開いた。
マミはそれを聞くと、軽く握った拳を口に当てくすりと笑い、
マミ「-そういえば以前私が助けましたわね。-でも、今回のこと本当に感謝してますのよ?」
ゴルゴ「・・・気にすることではない・・・」
ジッと見上げるマミに対し、相変わらず無愛想な低い声で答えるゴルゴに対し、
マミは再び首を傾げ、フフッとゴルゴに微笑みかけると、気を取り直したように今度はほむらの方に向き直った。

64: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:48:48.88 ID:0qGp/vX3B
マミ「暁美さんね?あなたにも感謝するわ。おじさまに力を与えてくださったのね?
 それに・・・」
マミはじっと顔をうつむける
マミ「あなたの忠告通りだったわ。あなたたちが来てくれなかったら私は本当に危ないところだった。今頃命を落としていたかもしれないわ。
 ありがとう」
ほむらは顔を上げたマミと視線を合わせるのが気まずいかのように斜めに地面を注視し、
ほむら「礼を言われることではないわ…私はその…あなたのことがちょっと心配だっただけよ…」
マミは微笑みかける
マミ「それでもありがとう。
 ただし-」
まどかの抱きかかえたキュウべえの方を向き直る
マミ「あなたが以前キュウべえにしたことを忘れてもいないわ?正直あなたが私たちに近づく意図がわからない。
 いずれおじさまと同じように借りは返したいと思うけど、完全にあなたのことを信用したわけでもないのよ?」
ほむら「・・・」

65: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:50:15.64 ID:0qGp/vX3B
マミ「そうだおじさま」
マミはくるりとゴルゴの方を向き直る

マミ「私まだおじさまのお名前をうかがっていなかったわね。-よろしいかしら?」
ゴルゴ「・・・デューク・東郷だ・・・」
マミ「-デューク・東郷・・・。-ハーフの方かしら・・・-?東郷さんね。素敵な名前だわ。
 -それであの・・・、-もしよろしければだけど・・・」

それまでの明るく自信ありげな表情からマミは顔を俯け、もじもじとして口を開く。
マミ「-あの・・・、-無関係なあなたにこんなことを頼むのもどうかと思うのですけど-・・・、東郷さんもこの方面の経験 はおありのようなので・・・。
 -よろしければ、私と一緒に戦ってもらえないかしら」
成り行きを見ていた少女3人は驚きの表情を浮かべた
「!」
ゴルゴ「・・・」

キュウべえはさやかの体に抱き抱えられたまま、感情の変化を読み取れないクリクリした瞳でゴルゴの方をじっと見つめていた。
キュウべえ「・・・」

66: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:51:19.00 ID:0qGp/vX3B
ほむら「話があるのだけれどいいかしら」

宵闇が迫りくる見滝原の大通りを中心部に向かって歩いているゴルゴの背に声がかかった。
ゴルゴはあの後マミと共にいた二人の少女の紹介を受け-ピンク髪の少女は鹿目まどか、青髪の少女は美樹さやかと名乗った-病院から別れてきたところだった。
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴが振り返ると暁美ほむらが無表情な視線をじっとゴルゴに向けている。
ゴルゴ「-・・・何か用か・・・?」
ほむら「-長くなりそうな話だわ-」
ほむらはすっと体をゴルゴの横に寄せた。
ほむら「-どこか喫茶店にでも入ってお話ししたいのだけど-、いいかしら?」
ゴルゴ「・・・」

ゴルゴが黙っていると、ほむらは促すようにさっさと速足で歩き出した。
一瞬そんなほむらを観察した後、ゴルゴがゆったりとその大きな体躯の歩幅で追い始めた。

67: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:52:12.65 ID:0qGp/vX3B
ほむら「-ここがいいわ。-丁度いい具合に今はお客さんがほとんどいないみたい」
足を止めたほむらは大通りに面した喫茶店の一つを腕で示した。
割と大きな喫茶店で中もこぎれいで洒落た感じだが、平日の夕方のこの時間帯にはあまり客が入らないようだ。
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴは、さっさとドアを開け、チリンチリンというドアに付けられたベルの音とともに喫茶店に入るほむらの後をついて共に入った。

68: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:53:37.93 ID:0qGp/vX3B
「お待たせしました」
呼びかけと共に二人の前に飲み物を置く女性店員。
二人は人気の少ない喫茶店の隅の奥手、柱と腰より少し上ほどの高さの壁に仕切られた一角のうちの一番奥の席に向かい合って座っている。
このスペースには他にもいくつかテーブルとソファ席が並んでいるが、今は二人の他誰もいない。
二人が注文したのはゴルゴがコーヒー、ほむらがオレンジジュースだ。

ゴルゴ「結構だ・・・」
店員がつづけて給じようとした砂糖とフレッシュを辞退し、店員が去っていくと、
ほむらはゴルゴが注文し、何も加えないままのブラックコーヒーを眺めながらフッと軽く微笑んで言った。
ほむら「コーヒーね。私も飲みたいのだけれど・・・」
ゴルゴ「-・・・カフェインの摂取は不静脈を引き起こすことがある・・・。-・・・持病の心臓病か・・・?」
ほむら「!」

69: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:54:37.48 ID:0qGp/vX3B
ハッと目を見開くほむら。
コーヒーカップを持ち上げ、今にも口につけようとしていたゴルゴだが、途中でその動きを止め、ソーサーにカップを戻すと
胸ポケットから折りたたんだ紙片を取り出し、開けるとほむらの目の前に突き付けた。
紙片はPCのプリント用紙で、そこには眼鏡をかけた、転校前の暁美ほむらの顔写真画像が写っている。三つ編みに眼鏡。顔のしまりがなく、おどおどと内気そうな表情だ。
ゴルゴ「・・・お前は一体・・・何者だ・・・?」
ほむらの表情が動揺に大きく崩れた。目を大きく見開き、口を半開きにして過去の自分の写真画像を見つめながら、喘ぐように口を開く。
ほむら「-私のこと・・・、調べたのね・・・!-」
彼女の顔を厳しく見据えながら、
ゴルゴ「-お前には訊きたいことが山ほどある・・・。-いつどうやって魔法少女になった・・・?-魔法少女とは何なのだ・・・?
 -そしてこの写真の姿の変わりようは何だ・・・?これも魔法少女の力なのか・・・?」

70: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:56:01.30 ID:0qGp/vX3B
ほむらは驚愕の表情で突きつけられたプリント画像を見ていたが、ゴルゴが質問を発するうちに徐々に目に見える動揺が収まり、激しい息遣いも穏やかになっていった。
ほむらは目を閉じて、大きく息を吸い、軽く顔をうつむけた後、再びきっとゴルゴの顔を見据えると、
先ほどまでの動揺がどこかに飛んでいったように、また元の冷たい瞳に戻った。
ほむら「-魔法少女のことについては後で話すわ。-でもまずはこちらの話-」
ほむらは片手でふぁさっと顔の横にかかった長い黒髪をかき上げると、目を閉じて小さな声で歌いだした
ほむら「こころのよろこび♪われはうたわん♪うたいてあかしせし♪主のさかえを♪」
ゴルゴ「!(讃美歌十三番!)」
今度はゴルゴの顔に驚きの亀裂が走った

71: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:56:52.55 ID:0qGp/vX3B
ほむら「東洋系、身長185センチ、がっちりした体躯。角刈りの頭に濃い眉毛、カミソリのような厳しく冷たい眼。ファイルの通りね-」
ほむらは目を閉じたままふぁさと髪の毛をかき上げた。
ほむら「-あなたがゴルゴ13ね。-依頼したいことがあるのだけれど-」
ゴルゴ「・・・」

ほむらはきょろきょろと人気のない店内を見渡すと、視覚に入る場所に他の客も店員がいないことを確認すると、手のひらから宝石のような物をにゅっと出し、
パアァァァァッ!
魔法少女姿に変身した。
魔法少女に変身したほむらは左腕の盾から大きなスーツケースを引っ張りだし、広いテーブルの飲み物が置いていない場所にどんと置く。
ゴルゴの方に中身が見えるように開けてみせたスーツケースの中は札束でいっ ぱいだった。

ほむら「ここに10万ドルあるわ。これで鹿目まどかが魔法少女になるのから守ってほしいの」

72: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 18:58:02.38 ID:0qGp/vX3B
見滝原ビジネスホテルの最上階の一室。
シャワーを浴びたゴルゴは備え付けのバスタオルで体を拭き、下着一枚のままベッドに座り込むと彼の巨体の重みでベッドのスプリングが軋んだ。
シャワーを浴びた熱気を夏の夜の暑さのなかで冷ますにはこの格好が一番いい。
開け放した窓からひんやりとしてとして爽やかな夜気が注ぎ込んで、火照った体をほどよく冷ましてくれる。
シュボッ
カポラル葉巻に火をつけ、窓から見える見滝原の繁華街の夜景に目をやりながら、ゴルゴは先ほどのほむらとのやり取りを思い出していた。

73: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:00:16.56 ID:0qGp/vX3B
---------------------------------------------------------
10万ドルが入ったトランクをゴルゴに開け示しながらほむら。
ほむら「鹿目まどかが魔法少女になるのか ら守ってほしいの」

ゴルゴはそれには答えずに
ゴルゴ「・・・どこで俺のことを知った・・・?」
ほむら「-・・・鋭いあなたのことなら察することができるのじゃないかしら。-さっきの私の能力を見たでしょ。時を止める能力。
 それでこれ-ほむらは盾から拳銃をちらりと引き出してまた中に戻した-を手に入れたりする時に、一緒にあなたの情報が入ったファイルを偶然目にしたのよ。
 -主に大きな警察署の署長室や暴力団の組長室なんかでね。警察署ではトップシークレット扱いで、暴力団内部でも厳重に秘匿されていたわ。
 -この前、デューク・東郷という名を聞いた時どこかに引っかかりがあって調べ直してみたら案の定だったわ。この10万ドルはそのために手に入れてきたというわけ」
ゴルゴ「・・・」

ほむらは再びきょろきょろして魔法少女の変身を解くと、ここに入った時と同じ見滝原中学校の制服姿に戻った。
ほむら「-そのことはもういいでしょう-。先ほどのあなたの戦いぶりを見て確信したわ。-あなたなら私の願いをかなえるだけの力があるわ」

74: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:01:42.20 ID:0qGp/vX3B
彼女は魔法少女について語り始めた。
キュウべえと契約して魔法少女になること。魔法少女になった者は魂が肉体から離れてソウルジェムと呼ばれる物質に取り込まれること。
魔力の使用や負傷、感情の落ち込みによってソウルジェムが濁ること。それを浄化する、魔女が落すグリーフシードのこと。
そして、ソウルジェムが真っ黒に濁った時魔法少女自身が魔女になること。つまり、今まで彼らが戦ってきた魔女は彼女ら魔法少女自身の成れの果てということになる。
それを聞いているとき、ゴルゴの頭の中に依頼者である父親から受け取った魔法少女の日記の内容中の言葉が去来した。
『ソウルジェム』『グリーフシード』『真っ黒に濁る…』
ただ、ほむらは自分がい かにして魔法少女になったか、これまでどういう戦いを経験してきたのかは語らなかった。

75: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:02:36.80 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「-・・・つまり・・・鹿目まどかが魔法少女になり・・・、-・・・それによって魔女になる可能性を排除したいわけだな・・・?」
ほむら「そんなところよ」
二人はじっと見つめ合う
ゴルゴ「・・・
 悪いが・・・その依頼は受けることができない・・・」

76: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:04:18.82 ID:0qGp/vX3B
一瞬大きく目を見開いたほむらだったが、すぐに冷静さを取り戻して
ほむら「-それは私が正体を明かさないから?」
ゴルゴは一瞬ピクリと片方の眉を動かし
ゴルゴ「-もし俺が依頼を受けられる状況なら正体を明かしてもらうが、そういうことではない・・・俺は現在別の依頼を遂行中だ・・・」
ほむら「-キュウべえの抹殺かしら?」
ゴルゴ「・・・
 -仮に俺が現在依頼を受けられる状態だとしても、俺の専門はスナイプ及び敵の殲滅だ・・・
 誰かを守るなど…ましてや魔法少女になるのを止めてくれなどというあやふやな依頼を受ける気はない・・・
 -話がそれだけならもう行かせてもらおう・・・」
コーヒーを飲み干し、体を横にねじり、座っていたソファ席から立ち上がろうとするゴルゴにほむらが声をかけた
ほむら「-協力ということではどうかしら?」
ゴルゴ「・・・」

77: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:05:25.74 ID:0qGp/vX3B
顔をほむらに向け、元の正面に座り直しはしないものの、浮かせようとした腰の重みを再びソファに沈めたゴルゴ。
ほむら「-あなたの専門が狙撃および殲滅ならその条件で協力を申し出たいわ。-私があなたに協力するのでも、あなたが私に協力するのでもいい。
 -まどかが魔法少女になろうとする前にそうする動機であるところの魔女を全滅させる。まどかに危害を加えようとする魔女を倒す。
 そしてもちろんそもそもまどかを魔法少女にする力を持つキュウべえを始末するという選択肢もあるわ。
 -大体あなたも魔法少女や魔女のことをよく知り、キュウべえを抹殺する機会を窺うためにさっきのマミのお願いを聞いてあげたんでしょう。
 私も、いえ、私 が一番魔法少女と魔女のことを知り尽くしているわ。そして私もキュウべえのことを狙っているもの。これならギブ&テイクでしょう?-」
ゴルゴ「・・・」

78: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:06:10.73 ID:0qGp/vX3B
ほむら「それに-」
ほむらは軽く目を閉じ首を傾げてフッと笑うとふぁさっと髪をかき上げた。どうやら髪をかき上げるのがほむらの癖のようだ。
ほむら「-先ほどマミに言っていたわね。あなた『借りは返す主義』だって-。-さっきの私の借りを返すという形ででも協力してほしいのだけど?」
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴの脳裏に体の寸前まで迫ったお菓子の魔女の薄く鋭い刃のような牙がよぎった。

ほむら「私もあなたに助けられてマミを救うことができたけど、あなたも私の魔法と魔力のおかげで助かったでしょう」
ほむらはゴルゴに向けた顔にふふっといたずらっぽい笑みを浮かべた。
ほむら「-本当はこのように年上の人を脅すようなことはしたくないのだけれど」

79: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:06:59.55 ID:0qGp/vX3B
--------------------------------------------
ゴルゴ「・・・」
涼しい風を受けながら、繁華街から少し外れ、それらをよく見下ろすことができる立地のビジネスホテルの窓から夜景を眺めるゴルゴ

80: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:08:25.31 ID:0qGp/vX3B
--------------------------------------------------
喫茶店を出た後、人気のない路地裏に行き、再び魔法少女姿に変身した状態からゴルゴに拳銃や手榴弾、サバイバルナイフなど携行可能な武器の数々を渡すほむら。
ほむら「できるだけ持っておきなさい。さっきのような魔力切れになったら生身のあなたでは太刀打ちできないわ。
 マミがいれば魔力を供給してくれるだろうけど、一人でいるときに魔女や使い魔に襲われたら大変だもの。
 -それとあなたの武器も私に預けてくれたら今のうちに充電してあげれるのだけれど」
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴはいったん見滝原ビジネスホテルの自室に戻ると、トランクを提げて戻ってきた。
中には分解された形のライフル銃がきれいにおさめられている

81: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:09:12.97 ID:0qGp/vX3B
ほむら「-M-16・・・これもデータの通りね-。さっきあなたがブルパップ銃に一瞬躊躇したのもわかるわ」
ゴルゴ「・・・」
ほむらはゴルゴが組み立て直したライフルをしゅるしゅると盾に収めると、魔法少女の変身を解いて
ほむら「これで全部ね・・・。あとはマミと同じようにあなたの携帯の連絡先を聞いておきたいのだけれど?」
ゴルゴ「・・・」

ゴルゴは懐の内ポケットから携帯電話を取り出す
ほむら「-これはプリペイド型携帯かしら-?さすが用心深いのね」
ゴルゴ「・・・」
連絡先を交換したほむらは携帯電話をしまい、ふぁさと髪をかき上げると、
ほむら「さて、もう行くわ。あなたの協力を得られることができて本当に感謝してるわ」
歩き去って行った。

82: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:09:51.70 ID:0qGp/vX3B
-------------------------------------------------------------
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴは回想する

喫茶店の席を二人で並んで立つ前にほむらはあと一つのことを言った

ほむら「-ワルプルギスの夜という魔女がいるの。-空中を高く飛び、自然災害レベルの被害と犠牲を生み起こす最強の魔女よ-」

ワルプルギスの夜-4月30日の夜から5月1日にかけて行われる、魔女の集会【サバト】の中でも最大規模のもののことだ-不吉な名前だ。
誰が付けたかわからないが、最強の魔女に相応しい呼び名と言えるだろう。
ほむらは付け加えて言っていた。

ほむら「それが一月後に来る」

83: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:10:27.28 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「・・・」
ゴルゴはカポラル葉巻を指に挟んだまま、ベッドの上に放り出してある携帯電話を手に取ると、通話をかけ始めた。
ジム「へい、旦那!」
ゴルゴ「ジムか・・・?25 日以内に揃えてほしいものがある・・・」

かけ終えたゴルゴは携帯電話をちゃっと折りたたみ直しベッドの上に投げ捨てた
下着姿のまま窓の真正面に立ったゴルゴの全身に涼しく、心地よい夜気が吹き付けてきた

84: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:11:34.07 ID:0qGp/vX3B
マミ「ティロ・フィナーレ!」
ドゴオォォォーン
マミの発射した巨大マスケット砲の砲撃を受けて魔女の体が吹き飛び、残った部分も急激に形を失ってゆくと、
すぅっと周囲のほのかな極彩色の結界風景が薄れゆき、四人は再び元の街外れの廃工場跡に戻っていた。
時刻は夕方で街の外に広がった空地の地平から夕日が横に駆け照ってくる。

85: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:12:23.79 ID:0qGp/vX3B
シュンと魔法少女の変身を解いて制服姿に戻ったマミは地に落ちたグリーフシードを拾うと、ゴルゴに歩み寄り、見上げて
マミ「今回も助かりましたわおじさま」
ゴルゴはマミをじっと見下ろし
ゴルゴ「俺は…援護しただけだ…」
マミ「いいえ、使い魔たちを多く倒してくださったし、魔女との戦いでもおじさまが戦って くださるから魔女の注意をそらすことができたんですのよ。
 それに・・・私は今までずっと一人で戦ってきたから、一緒に支えてくれる方がいるだけで…」
マミは顔をうつむけた。顔が紅潮しているように見えるのは夕日の色の反映だけではないようだ。

86: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:13:13.23 ID:0qGp/vX3B
さやか「あれー、マミさん、私たちは無視ですかー?そりゃ私たちは東郷さんみたいに戦えないけどさ」
マミの態度を見て、軽い調子ながらもどこか拗ねたような表情を声の調子にわざとらしく入れている。
そんなさやかに対してまどかが小声でささやく
まどか(「ちょっとさやかちゃん!」)

マミはそんなさやかたちに照れたように
マミ「ええ、あなたたちにも感謝してるわ…」
しかしすぐにその視線はゴルゴの顔に戻る

87: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:14:10.99 ID:0qGp/vX3B
さやか「いやー、それにしてもおじさんすごかったね。
 パンパンパーンって-さやかは体全体をぶんぶん振り回し、両手でそれぞれ二丁の拳銃を撃つジェスチャーをする-百発百中だもんね。
 -ひょっとしてあれ?おじさんの職業は007みたいなどっかの秘密工作員とか?」
まどかが困ったような顔をして笑う。
まどか「-あはは・・・さやかちゃん・・・-」

88: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:14:55.97 ID:0qGp/vX3B
キュウべえ「僕の方からもそれは興味ある疑問だね」
少し離れた崩れかけの塀の上で皆の様子を見守っていたキュウべえがひょいと飛び降り、近寄りながら話しかけてくる。
キュウべえ「魔力も持たず、魔法少女の魔法や身体能力の強化もなしで、武器に与えられた魔力だけで魔女や使い魔たちと渡り合えるなど前代未聞だ。
 君ほどのものがこんななんの変哲もない街に一体何の目的で訪れ、滞在しているんだい?」
キュウべえのクリクリとしながらも、表情の変化を見せない瞳がじっとゴルゴを見据える。
ゴルゴ「・・・」

89: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:15:46.42 ID:0qGp/vX3B
マミ「こらっ、キュウべえ。おじさまを困らせないの」
キュウべえの横に並んだマミが頭を半ば撫でるように、半ば叩いてしつけるようにキュ ウべえの頭に手をやる。
マミ「ごめんなさいね、おじさま。私も初めて会ったときは余計なことを言ってしまいましたけど、誰でも秘密にしたいことはおありですものね」
ゴルゴ「・・・いや・・・気にすることはない・・・」
キュウべえ「・・・」

90: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:17:01.43 ID:0qGp/vX3B
------------------------------------------------------------
魔女退治の後、初めにゴルゴが立ち去り、続いてマミと別れてきたまどかとさやか。

さやか「-いやーっ、マミさん絶対東郷さんのこと好きだよね」
まどか「-や、-やっぱりそうなのかな-」
さやか「絶対だよ絶対!さやかちゃんの勘は狂わないのだーっ!」
困ったように笑うまどか
まどか「あはは・・・さやかちゃんすごい自信・・・」

並んで歩いている二人だが、上背があり、活発に動くさやかのほうが歩調が速く、まどかはそれに合わせるようについていく。
今回はさやかの歩みが今までよりさらに速いようだ。
さやかは片腕を上に伸ばし、バッグを持ったもう片方の手を頭の後ろに回し、伸ばした腕の肘に手を当てるようにして伸びをして
さやか「-うーん、でも誰かのために、誰かと一緒に支えられて戦えるなんていいねー」
慌ててついていくまどかだが、それを聞いて
まどか「-さやかちゃん・・・それひょっとして上条君のこと・・・?-」

91: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:17:54.44 ID:0qGp/vX3B
さやかは一瞬恥ずかしそうにはっとした後でくるりとまどかの方を向き直り、手でまどかの肩をポンポンと叩くと
さやか「あはは、何言ってんのまどか。-さっ、早く帰ろっ! もうすぐ暗くなっちゃうよ!」
軽く駆け出すさやか
まどか「-さやかちゃん待って・・・!」
まどかが慌ててついていく

徐々に脚の動きが慣れペースを速めていったさやかは片方の手にバッグを持ったままぶんぶん前後に腕を振り回しながら、
かすかに見え始めているいくつかの星のきらめきを薄暗くなり始めた空に認めながら、誰にも聞こえないささやき声で軽くひとりごちた
さやか「うんっ・・・」

92: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:18:58.96 ID:0qGp/vX3B
工場主「-今みたいな時代にさ、俺の居場所なんてあるわけねえんだよな…」
あちこちから集まった大勢の意識を失った人間がう~う~唸りながら寂れた工場内を腰をかがめただらしない姿勢で歩いている

女「んっ」
工場主の妻らしい、いかにも普段の生活と作業になじんだといった感じの、全体にくすんで見栄えのしない服を着た中年の女性がバケツを持ってくると、
床に置き、二つの洗剤容器の栓を開け、ドボドボと入れ始めた

まどか「!」
まどかの脳裏に、以前母から受けた酸性洗剤と塩素系洗剤についての注意がよぎる。
まどか「それは駄目っ!」
ドン
まどか「うっ」
洗剤を投入している女のもとに駆け寄ろうとするまどかの腹に仁美の拳が入る。
仁美「邪魔してはいけません、あれは神聖な儀式ですのよ」
まどか「だってあれ危ないんだよっ。ここにいる人たちみんな死んじゃうよ!」

93: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:19:48.62 ID:0qGp/vX3B
ダッ
その途端大きな一人の人影が素早く入ってきて
ドカーッ
洗剤を投入している女の顎に蹴りを喰らわせた
まどか、仁美、他「!!!」

ゴルゴ「酸性と塩素系を混ぜると塩素中毒を起こすぞ!早くそのバケツを外に捨てろ!」
飛びこんできた人影はゴルゴだった。
まどか「う・・・うんっ!」
掴んでいる仁美の手を振りほどくと、まどかは床に放置されたバケツを両手に持ち、息を喘がしながら窓の下に寄り
ブン ガシャーン
想いきり放り投げ、窓の外にバケツを放り出した。

94: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:20:36.39 ID:0qGp/vX3B
ビシッガスッドカッ
ゴルゴは迫り くる男女たちの主に頭部と頸部に手足で打撃を加え、その意識を飛ばしていく

まどか「おじさんっ・・・!」
ゴルゴ「ここは逃げろ!外に出てマミかほむらを呼ぶんだ!」
まどか「うんっ・・・!」
ビシーガスー
まどかに寄ろうとする男女をゴルゴが倒てゆく
その間にまどかは外に走り去った

と、急に明るい音楽が響きだし、巨大な機械音、「キャハハハハ」という笑い声と共に周囲が青く転じ始めた
ゴルゴ「!!!(魔女の結界・・・!)」

95: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:22:38.71 ID:0qGp/vX3B
『キャハハハ』 『アハハハハ』
周囲はいつの間にか遊園地のメリーゴーラウンド、上下左右に並べられたテレビ画面などの風景に変じており、
笑い声と共に、頭に天使の輪っかを付け、顔に固定された笑い顔をへばりつけた、素体だけのような白い人形が四方からゴルゴの体をつかもうと寄ってきた。
ゴルゴ「!!!」

ガウーン ドカッ ガスッ
ゴルゴは、遠くから寄ってくる相手には射撃を食らわし、近くに来てへばりつけ始めた相手にはサバイバルナイフと銃の柄で応戦していたが、
ゴルゴ「!!!」
数多く並べられたテレビ画面に映像が映し出されている。
性病持ちの大男に持ち上げられたまま後ろから犯される女、拷○を加えようと、顔に薄ら笑いを 浮かべながら道具を持って寄ってくる男、命を狙って急襲してくるマフィアの一団。
それらは全て過去にゴルゴが見、体験してきたことだった。

96: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:23:42.99 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「・・・」
ザスッ ガギューン ドカッ
ゴルゴは一瞬それらの映像に目を止めていたが、また厳しい表情のまま寄ってくる使い魔たちを倒し始めた。

やがて目の前に、黒い翼を持った、白いテレビ画面がフワフワと現れ始めた。
ゴルゴ「・・・(あれが魔女本体か・・・)」
なおもしつこく寄ってくる使い魔たちを倒すゴルゴ。すでにサバイバルナイフは一本、拳銃を一丁魔力切れで使い捨てていた

ようやく寄ってくる使い魔たちを追い払い、周囲の障害がいなくなると、素早くゴルゴは銃口を魔女に向け発射した。
ガギューン
ヒョイッ
魔女はフワフワとした重心の定まらない奇妙な動きながらも素早くゴルゴの射撃をかわした
ゴルゴ「!」

97: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:24:45.34 ID:0qGp/vX3B
ガウーンズキューン
ゴルゴが繰り出す素早い射撃はことごとく魔女に避けられてしまう。
ゴルゴ「(・・・)」

次に撃とうと目で狙いを定めたとき、突然横から使い魔が襲ってきた
ゴルゴ「!」
ズギューン
反射の動きで使い魔を撃ち倒すゴルゴ。
その時、ゴルゴの正面にいた魔女がまたもや、先ほどまでゴルゴの攻撃をかわしたようにヒョイと横にかわす動きを見せた。
体を逸らしたのは今しがたゴルゴが狙いを定めていた射線上だ。
ゴルゴ「-!(-念思能力【テレパス】・・・!)」

いったん引いていた使い魔の波が再び周囲から押し包んでくる

98: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:25:32.28 ID:0qGp/vX3B
ダーンガキューン
と、ゴルゴに迫っていた使い魔たちの何匹かが銃声とともに撃ち倒され、それとともに使 い魔たちの群れの形が崩れ始めた

ほむら「遅れてごめんなさいね」

現れたのはほむらだった。
ほむら「あれが魔女本体ね・・・しかしまずはこの使い魔たちを何とかしましょう。
 ・・・ずいぶん倒したようだけれど銃の魔力は大丈夫?」
ゴルゴ「・・・まだいくらか予備がある・・・」
使い魔たちを撃ち倒しながらゴルゴが答える

ほむら「-そう、それならよかった。まずは雑魚掃除ね」

99: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:26:32.30 ID:0qGp/vX3B
ダーンガーンズキューンザスッドカッガガーン

四方から迫る使い魔たちを二人が応戦して倒すと、再び使い魔たちの群れの襲来の波が途絶えた。

ほむら「-今のうちに魔女を倒しましょう」
ガキューンダーン
ヒョイッヒョイッ
ほむら「-かわされた⁉-何て素早いのかしら⁉」

再び両手で銃を構えて狙うほむら
ズキューンガウーン
ヒョイッヒョイッ
ほむら「!!?」

魔女はほむらの攻撃をかわす以外はフワフワ悠然と宙の間を漂っている。

ゴルゴ「-・・・奴は・・・我々の思考を読めるようだ・・・」
ほむら「-何ですって・・・!?-しかし、確かにそういえば・・・
 -あなたでも無理なの⁉」

100: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:27:31.63 ID:0qGp/vX3B
ゴルゴ「・・・」

ゴルゴは体の力を抜いて、攻撃のそぶりを無くしてから
ズキューン
ほむらの目には見えないほどの速度で腕を素早く動かし、発射した
ヒョイッ
ほむら「!?」
ガガーンズキューン
ヒョイッヒョイッ
続けてゴルゴの射撃がかわされたが、ゴルゴ自身はほむらに示すようにこの射撃を行っているようだった

ほむら「-あなたでも当てられないなんて・・・」
ほむらは目を見開き、呆然と言った
ゴルゴ「・・・心を読まれた上に・・・奴の素早さがあっては当てるのは無理なことだろうな・・・
 -ほむら・・・30秒時間を稼げるか・・・?その間奴をすべて引き受けていてほしい・・・」
ほむらは我を取り戻し、
ほむら「-何か考えがあるのね・・・わかったわ」
ゴルゴ「・・・」

ゴルゴは後ろに下がり距離を取って、魔女との延長線上にそれをかばう形でほむらが前に出た

101: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:29:08.85 ID:0qGp/vX3B
ほむらがちらと見やると、ゴルゴは銃を懐にしまい、目を半ば閉じ、腹のあたりに手をやって口を閉じたまま大きく鼻で息を吸い始めた
ほむら「(-何をやっているのかしら・・・?)
 -!」
魔女が迫りくる

ダーンダーン
魔女は再びヒョイヒョイとかわしていく。どうやら相手が攻撃している間はかわすのに専念しているようだった。

ガキューンガウーン
ヒョイッヒョイッ
両手で拳銃を構え、狙いを定めて撃ち続けるほむらの額に焦りの汗が出始める
ほむら「(-当たらない・・・。こうしている間にも使い魔たちが再び襲ってくるかもしれない。-ゴルゴを守る必要もあるし、時間を止めるしか・・・
 -・・・!)」

102: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:30:18.14 ID:0qGp/vX3B
フワフワとほむらの正面に静止した魔女のテレビ画 面に映像が映し出された。
青白い顔で横たわる魔法少女姿の鹿目まどかの死体、顔を歪め、必死の形相でこちらに銃口を向けるマミ、
一面なにもない荒れ果てた焦土の上に轟然と、天まで屹立する巨大な樹木
ほむら「-!(-まどかっ・・・!)」

一瞬ほむらの目の前が暗くなり、ふらりと倒れそうになる。その瞬間を狙って魔女が飛びかかってくる
ほむら「-・・・っ!」
何とか身をよじって体当たりをかわすほむら。
しかしほむらの壁を突破した魔女は一目散に腹に手を置き、奇妙な姿のまま静止しているゴルゴの方に向かった。
ほむら「-ゴルゴっ・・・!」

ズキューン

103: 以下、VIPがお送りします 2014/11/13(木) 19:31:55.94 ID:0qGp/vX3B
ビスッ
突如懐に手をやり、拳銃を抜き撃ったゴルゴの銃弾が魔女のテレビ画面部に当たり、そのガラス状に風穴を開けた。

ほむら「!!?」

突然の反撃と被弾に仰天した魔女はバタバタと焦り飛ぶ蛾のように縦横に乱れ飛んだ。
ほむら「(-当たった・・・!?)」

ガウーンズキューン
ビスッビシッ
魔女のテレビ画面と側面部に風穴が空いていく

ほむら「(-当てている・・・。-いったいどうやって…!?」
ほむらがゴルゴの方を見ると、ゴルゴは目を半眼にして腹のあたりを中心に回るように身をひねり、撃っている。現在の拳銃は一丁だ。
ほむら「(-どうやら何か心をコントロールする方法を見つけたようね・・・。-奴がゴルゴに やられている間に私も当てられればいいのだけれど-)」

106: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:40:53.13 ID:bUTy/0tsR
ガガーンダーン
ヒョイッヒョイッ
テレビの背面をこちらに向けたまま、ほむらの攻撃はかわされていく
ほむら「-!(-くっ・・・、-やはりだめか・・・。-それにゴルゴの拳銃に与えた魔力だけでは致命傷を与えられないようね・・・。-このままでは奴を倒せない・・・-)」

四方からぞろぞろと再び使い魔たちが押し寄せてくる
ほむら「!」

ズキューンガウーンガーンダーン
再び二人で応戦するが、ゴルゴの拳銃が魔女を狙ったときは的確にヒットするものの、先ほどまでの素早い反応速度で使い魔たちに対応できていない
ほむら「(-うまいことばかりではないようね・・・。-このままでは・・・-)」

使い魔たちの輪が狭まってきた。
ほむら「-・・・っ!」

107: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:41:48.25 ID:bUTy/0tsR
「やあっ!」

突然上方から青地に白の縁飾りが基調の白マントを付け、肩の部分がはだけた変形の騎士服を着た青髪の少女が飛び降りてきて、手に持ったサーベルを魔女に突き立てた
魔女「!!!」

ズガッともガシャッともベガッともいう音を立ててテレビ画面の上方から深々と刃を突き立てられた魔女は狂乱の体で刃から身をよじりかわし、バタバタと飛び回った。
その魔女のダメージに呼応するように使い魔たちの攻撃の波が一瞬引く

さやか「私が相手だ!」
騎士服の少女はさやかだった

さやか「やっ、たあっ!とうっ!」
次々と使い魔たちを薙ぎ払っていく。
さやかが剣を振り回していくうちに、ゴルゴの目が徐々に見開いていき、
-一瞬さやかの姿に戸惑いを見せたものの、 また元の動きで周りの使い魔たちを射撃で倒し始めた。

108: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:42:20.14 ID:bUTy/0tsR
ほむら「-さやか・・・」
さやか「いやー、二人ともごめん。手こずってたようだね?でも私がいるからにはもう大丈夫だよ。-なんちゃってね」
サーベルを持っていないほうの手を頭の後ろにやり、あっけらかんと笑うさやか。

ほむら「-やはり、あなたも魔法少女に・・・」
さやか「ん?あー、話はあとあと。まずはあいつを倒さなきゃいけないんでしょ」
キッとテレビの魔女を睨むさやか

フヷン
次々とさやかの周りに剣が並び立てられていき、それはさやかの周囲をサークルのように取り囲んだ
さやか「やっ!はぁっ!とぉっ!」
体全体をよじって次々突き立てられた剣を引き抜いて魔女に向かって投げ払う さやか
ヒョイッヒョイッガスッ
いくつかはかわされたが、そのうちの一本が魔女に命中した

109: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:43:42.66 ID:bUTy/0tsR
動きが大きく鈍る魔女に剣を向け
さやか「-次はこれっ!」
カチッとサーベルの柄の部分の一箇所を押すと、柄から刃だけが飛んで、魔女に命中した

ゴルゴ「-スぺツナズナイフの原理のようだな・・・」
いつの間にかほむらの横にゴルゴが立ち、さやかの戦いぶりを眺めている。使い魔たちは掃討され、今この場にいるのは三人と魔女だけだ。
ほむら「-ええ、魔法少女の魔力ならではの射出力だけどね・・・。-でもどうしてさやかの攻撃が当たるのかしら?」
ゴルゴ「-・・・初めての戦いで精神が高揚しているのだろう・・・。しばしばそういうものだ・・・」
ほむら「・・・」

110: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:44:15.27 ID:bUTy/0tsR
さやか「-とどめだぁっ!」
宙に大きく飛んださやかのサーベルが一閃、魔女の体を真っ二つにした

と、 結界がみるみる消え、今までの遊園地の光景から一転、元のうらぶれた夜の工場の暗闇に戻った
周囲には魔女に吸い寄せられた男女が多数倒れており、仁美もその中の一人だ。

さやか「-いやー、二人とも大丈夫だった?まどかに呼ばれて来たけど何とかなったようでよかったよ」
ほむら「-・・・あなたよくあの相手を倒せたわね。あの相手は心を読むことができたのよ。私たちの攻撃はまるで当たらなかったわ」
さやか「えーっ、そんなにすごい敵だったの?初めての戦いで夢中だったからかな?全然何も考えてる暇無かったよ。
 -そうだ、仁美は!?」

111: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:44:46.23 ID:bUTy/0tsR
駆けつけるさやか
仁美は目を閉じたままぐったりと力なく横たわっている
さやか「-仁美!-仁美!」
仁美は動かない

ゴルゴ「-・・・気を失って いるだけのようだ・・・。・・・魔女に何らかの形で精神をやられたようだな・・・」
さやかの横に来てすっとしゃがみ、二本の指を鼻下に、次いで首元にやった後、ゴルゴは言った。
ゴルゴ「・・・一応大丈夫だと思うが・・・他の人間も見てみよう・・・」
立ち上がって見回るゴルゴ。
さやか「よかったぁ~。仁美はあたしたちの親友だもん。何かあったら大変だったよ」
さやかは横たわる仁美の横で膝をつき、安堵の溜め息を漏らす

112: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:45:13.55 ID:bUTy/0tsR
ほむら「そういえばあなたはさっき何をしたの?どうやってあの魔女に攻撃を当てていたのかしら?」
見回るゴルゴについて歩きながらほむらが尋ねる。すでに魔法少女の変身を解き、制服姿だ。

ゴルゴ「-・・・禅の要諦は、心を無にし、意識を空に遊ばせることにある・・・-」
ほむら「禅・・・」
ゴルゴ「テレパスを相手にするのは初めてではない・・・。-もっともあの時はスナイプだったがな・・・」
ほむら「・・・
 (実戦の中で禅で心を完璧にコントロールするなんて、何て怪物【モンスター】・・・!)」

113: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:46:27.53 ID:bUTy/0tsR
-----------------------------------------------------------
仁美「-ん・・・、-あ・・・?」
横たえられた仁美が意識を取り戻す。
全員の無事を確認した後で、仁美だけが工場内の空 いた一角に移されていたのだ。
仁美のそばにはゴルゴが片膝を付けてしゃがみ、脈拍を測っている。
ほむらとさやかは傍に立ってそれを見守っているが、さやかの方は気が落ち着かない様子だ

仁美「-え・・・、-あ・・・」
ぼんやりとした目で仁美は首を回すが、何が起こったのかわかりかねているようだ

仁美「-!」
と、仁美の手首を軽く持ち上げ、握っているゴルゴの大きく太い手に気づき、ゴルゴの顔を見上げると、
仁美「-・・・!
 -あなたは・・・!」
目を大きく見開き、驚きの声を漏らした。

114: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:47:07.90 ID:bUTy/0tsR
さやか「あっれー?そういえば仁美、東郷さんのこと知ってたっけ。この前中学のそばで話しかけてたよね。
 この人東郷さん。-えーと、仁美がここで倒れてるのを見つけてくれたんだよ。-そこに偶然あたしたちが通りがかったってわけ」
さやかは答え合わせを求めるように、一瞬不安そうな視線をちらとゴルゴとほむらに向ける
ゴルゴ「・・・」

仁美「-え・・・、ええ・・・。-存じておりますわ・・・」
さやかの声が半ば耳に入らないような形で、仁美はぽーっとした視線でゴルゴを見上げている。
ゴルゴに預けた手首は気を失っているときよりもっと力が抜け、寄りかかっているように見える
ゴルゴ「・・・」
手首から手を放し、ふっと立ち上がったゴルゴの方を見、仁美は名残惜しそうに先ほどまで掴まれていた手首を軽く動かした

115: 以下、VIPがお送りします 2014/11/14(金) 01:47:35.59 ID:bUTy/0tsR
マミ「-みんな大丈夫!?」
マミを連れてまどかが戻ってきた
さやか「-マミさん!」

マミは半ば起き上がっている仁美を見、次いでゴル ゴ、ほむらを見、
マミ「-みんな大丈夫のようね、よかった」
安堵の溜め息を漏らした。

マミはついとゴルゴの前に立ち、
マミ「-東郷さん。あなたが鹿目さんを助けてくれたのね。いつものことだけど本当に感謝するわ-」
ゴルゴ「・・・礼を言われることではない・・・」
マミ「それでもおじさまにはいつも助けられて感謝してるし、頼りにしてますのよ?」
マミの優しく、穏やかな目が特にキラキラと輝く

仁美は半ば身を起こしたまま二人のそんなさまを眺めていた

引用元: http://viper.2ch.sc/test/read.cgi/news4vip/1415805596/



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